2005 Fiscal Year Annual Research Report
免疫・アレルギー反応に関与する腸内細菌及びプロバイオティクスの作用特性の解明
Project/Area Number |
16380093
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
上野川 修一 日本大学, 生物資源科学部, 教授 (50011945)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
細野 朗 日本大学, 生物資源科学部, 講師 (70328706)
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Keywords | Bifidobacterium / パイエル板 / IFN-γ / IL-6 / アレルギー |
Research Abstract |
一部の腸内細菌やプロバイオティクスなどの共生可能な微生物の中には,宿主の免疫系の活性化やアレルギー反応抑制などの免疫調節作用が期待されている.しかし,それらの免疫調節作用の詳細は不明であり,本研究はその免疫学的な作用機序を分子生物学的な視点で明らかにし,感染防御やアレルギー発症の予防・治療のための基礎的な知見を得ることを目的とした.無菌の卵白オボアルブミン(OVA)特異的T細胞受容体トランスジェニックマウスをContとBifの2群に分け,Bif群にのみBifidobacterium pseudocatenulatum 7041(Bp)を定着させた.その1週間後,セグメント細菌(SFB)とClostridium 46株を両群に定着させた.これらのマウスに10%卵白含有飼料をそれぞれ1週間自由摂取させた後,パイエル板細胞(PP)を採取,調製し,OVAと共培養したときの上清中のサイトカイン産生応答,PPのCD4^+T細胞表面フェノタイプの解析を行った.その結果,PP細胞のBif群のIFN-γ,IL-6産生が低値を示し,これらBif群のOVA特異的サイトカイン応答パターンは無菌マウスに比べて,コンベンショナルマウスに類似していた.また,卵白含有飼料摂取時のBIF群のCD4^+T細胞中の感作型の細胞フェノタイプ(CD62L^<low>)を発現する細胞の割合がCont群に比べて高い特徴を示した. 以上より,Bpの定着は食品抗原に対するパイエル板細胞の過剰なサイトカイン産生を抑制し,腸管免疫応答を調節することが明らかとなり,プロバイオティクスとしてのBpが未発達な免疫系をコンベンショナルマウス型の免疫応答に変化させることが示唆された.さらに本実験系をマウス腸内細菌に対して応用することにより,宿主免疫系の応答に対する腸内細菌の調節作用について,細菌特異性を明らかにすることができると考えられる.
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Research Products
(11 results)
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[Journal Article] Effect of specific antigen stimulation on intraepithelial lymphocyte migration to small intestinal mucosa.2005
Author(s)
Komoto S, Miura S, Koseki S, Goto M, Hachimura S, Fujimori H, Hokari R, Hara Y, Ogino T, Watanabe C, Nagata H, Kaminogawa S, Hibi T, Ishii H
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Journal Title
Clinical Experimental Immunology 140
Pages: 249-257
Description
「研究成果報告書概要(和文)」より
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[Book] 腸管細胞機能実験法2005
Author(s)
上野川修一, 清水誠, 八村敏志, 戸塚護編著
Total Pages
274
Publisher
学会出版センター
Description
「研究成果報告書概要(和文)」より