2005 Fiscal Year Annual Research Report
隔離分布するブナ林の繁殖維持機構評価に基づく復元プログラムの開発
Project/Area Number |
16380099
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
角張 嘉孝 静岡大学, 農学部, 教授 (60126026)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
向井 譲 岐阜大学, 応用生物科学部, 教授 (80283349)
秋山 侃 岐阜大学, 応用生物科学部, 教授 (10283318)
水永 博己 静岡大学, 農学部, 教授 (20291552)
王 権 静岡大学, 農学部, 助教授 (50402235)
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Keywords | ブナの隔離分布 / リモートセンシング / 生態学 / 遺伝子 / 生態系修復 / 海抜高 / 生理学 / 緑の回廊作成 |
Research Abstract |
ブナ稚樹の成長:ブナ林における更新盛況のためのロードマップ作成を目指して、スキー場コース脇のブナ更新地点を利用して、ササとブナ稚樹の更新状況をその光環境及び光合成能力と関連させて研究した。その結果ブナ稚樹はささと競合するに従い、光環境の悪化するのでより多くの光を集めるため葉面積を拡大して、光不足を補う。クロロフィルの主成分である窒素を増やして光不足を補う方法があるが、さまざまな光環境でこれを確認することができなかった。サンフレック(チラチラ光)の頻度や程度が生理学的な特性に影響することも考えられる。ササの生理生態学的情報の収集を季節を通して行った。 ブナの種豊作年:本年はブナの成り年にあたったので、当初計画を変更し、シュート単位のブナの結実コストを算出した。シュートごとに着生する葉面積、光合成速度、呼吸速度、冬芽、種子の呼吸量、殻斗の光合成や呼吸などを測定する。この計算によって、豊凶仮説が剰余生産量の過不足によって周期が決定される仕組みを明らかにする。豊作年では、シュートが短く、葉面積が小さくなるが、光合成速度には影響がない。 ブナ種子の着果量の予測:人工的に着果をうながす方法に、受光伐という方法がある。2005年春に、着果状況の現地調査を実施した。着果状況から個体の樹冠の受光量との関連性が考えられたので、長期成長固定試験地の樹冠受光量をモデルで推定し、リタートラップで回収した種子量と比較対照してよい結果をえた。 衛星画像によるブナ個体の探査:地上分解能の異なるIKONOSとLandsatイメージを用いて、ブナ個体群の確定作業を行った。現地調査を2回にわたって実施した。現在検討中である。 個葉レベルで得られた分光反射特性と樹冠レベルで得られの分光反射特性はよく一致した。IKONOSイメージで作成されるブロードバンドNDVIの利用によって、現在重点研究地域(34km2)について、大気補正を行い、4mのオーダーで光合成速度のマップを作成した。沢筋に生育するブナの光合成は尾根に生育するブナに比べて高い速度を示した。
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