2005 Fiscal Year Annual Research Report
稀少な森林となっている主要針葉樹天然林の保全遺伝学的研究
Project/Area Number |
16380112
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Research Institution | Forestry and Forest Products Research Institute |
Principal Investigator |
津村 義彦 独立行政法人森林総合研究所, 森林遺伝研究領域, 室長 (20353774)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷 尚樹 独立行政法人森林総合研究所, 森林遺伝研究領域, 主任研究官 (90343798)
松本 麻子 独立行政法人森林総合研究所, 森林遺伝研究領域, 主任研究官 (90353862)
伊原 徳子 独立行政法人森林総合研究所, 森林遺伝研究領域, 主任研究官 (40353594)
舘田 英典 九州大学, 大学院・理学研究院, 教授 (70216985)
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Keywords | 針葉樹 / 保全 / ゲノム / 集団遺伝 / 遺伝構造 / 遺伝的多様性 |
Research Abstract |
スギの天然林集団の遺伝構造を調査する目的で本研究を行った。対象とした集団は北限の青森県鯵ヶ沢集団から南限の屋久島集団までの29集団とした。用いたマーカーはスギで開発したCAPSマーカー148遺伝子座である。これらのほとんどは共優性遺伝パターンを示し、安定した情報量の多いDNAマーカーである。また、このうち129遺伝子座は連鎖地図上に位置づけられた遺伝子座である。得られた遺伝子型データからヘテロ接合度(He)、allelic richnessを算出した結果、西日本の集団は東日本の集団に比べ高い遺伝的多様性があった。また集団の系統関係を調査するために近隣接合法(NJ)法にてデンドログラムを作成したところ、ウラスギとオモテスギの集団が明瞭に分化しており、それぞれの地理的な位置と遺伝的な関係は少数の例外を除いて一致していた。集団の遺伝構造を見るためにSTRUCTURE(Prichard et al.2000)を用いて解析を行ったところ、屋久島の集団が特徴的であることが明らかとなった。この結果はデンドログラムと一致していた。また非中立遺伝子を検出するためにFSTとHeの関係を調査した(Beaumont and Nichols 1996)。その結果、95%信頼区間(CI)を超えた7遺伝子座が検出され、95%CI以下では24遺伝子座が検出された。95%CIの上限を超えた遺伝子のなかには耐乾燥性に関する遺伝子などが検出され、スギの適応的な遺伝子の候補として重要な遺伝子である可能性が示された。
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Research Products
(1 results)