2005 Fiscal Year Annual Research Report
浮魚資源の産卵資源量(SSB)推定のための分子マーカーの開発
Project/Area Number |
16380136
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
松山 倫也 九州大学, 大学院・農学研究院, 教授 (00183955)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 明彦 九州大学, 農学研究院, 助手 (10332842)
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Keywords | マサバ / 排卵後濾胞 / 産卵親魚量 / プロテオーム解析 / 産卵頻度 |
Research Abstract |
排卵後濾胞(12時間)の総蛋白質を2次元電気泳動(IEF/SDS-PAGE)で展開し、排卵6時間目から特異的に出現するp40、p38の二つのスポットについてアミノ酸シーケンス法によって解析した。各スポットを5-10個集め、インゲルダイジェスション法によりトリプシンで消化を行った。続いて逆層クロマトグラフィーによってペプチドを分取し、N-末端アミノ酸配列を分析した。 数サンプルをシーケンスした結果、p40由来のペプチドにはYPIEHGIVTNNDMEが、またp38由来のペプチドにはIVHHTFYYELが含まれていた。BLASTサーチの結果、両ペプチドともアクチンであることが同定された。これらの2つのスポットは排卵後3時間目までは存在せず、6時間目から出現し18時間でも完全分解されずに存在した。すなわちアクチンの限定分解が6時間目から生じていることが示された。限定分解されたアクチンがどのような機能をもつのかは不明である。限定分解箇所に関しては本実験では明らかにできなかったが、分解ペプチドの分子量から両末端のどちらかである事が予想できた。今後は、アクチンを基質に用い限定分解に関与するプロテアーゼ活性を測定し、排卵後濾胞の分解に関与するプロテアーゼを同定する必要があると考えられる。メダカではマトリクスメタロプロテアーゼが濾胞で発現し、排卵過程で重要な役割を担っていると考えられている。サバの排卵後濾胞でもどのような型のプロテアーゼが発現しているのかを、ISH、IHC法などを用いて調査する必要があるであろう。
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