Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
泉 完 弘前大学, 農学生命科学部, 助教授 (60132007)
佐原 雄二 弘前大学, 農学生命科学部, 教授 (10113797)
野田 香織 弘前大学, 理工学部, 助教授 (10281198)
小出水 規行 農業工学研究所, 農村環境部, 主任研究官 (60301222)
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Research Abstract |
1.農業用水路・河川の連続性 17年度までは岩木川左岸水路網を主な対象に,水路内の魚類の移動と生息場選択について調査した.18年度は河川との連続性に注目し,水路の上下流における魚類の移動可能性と魚類相の構造を解析した.結果として,季節的移動と移動の難易度による魚類群集の変動性が示され,後背湿地の代償である農業用水路網の重要性を確認し,特にそこに含まれる希少種等の保全方策に関して,有用な成果を得た.また,電気ショッカーを用いた定量的な採捕結果を,多変量解析などの手法により解析することによって,その場の微少環境構造以上に水路の位置付けがより重要である魚種をピックアップした. 魚類の遊泳能力に関する解析を行い,落差等による水路内の遡上難易度,魚道の設置検討に用いるためのパラメータを野外実験により収集した. 2.ため池・水田に生息する魚類・鳥類に関する研究 ため池に生息する鳥類に関して,主にため池の構造と採餌場所,営巣場所に注目し,生息密度や繁殖成功等の視点から調査した.同時に生息魚類の分布・密度調査も行なった.餌となる比較的小型の魚類に,近年移入されたオオクチバスの影響を強く受けており,その生息密度はため池の構造や植生によって大きく異なった.すなわち,水際部に植生帯が広く分布し,仔稚魚期をそこで過ごすことが出来るような水位が保たれている池や,ヒシなどの浮葉植物に水面を広く覆われるでは,比較的小型魚の密度は高かった.魚食性鳥類は,魚食魚との競争では一方的な影響を受け,小型魚の密度によって生息場所を変える事が明らかとなった.特に繁殖期により小型の魚を必要とするカイツブリなどでは顕著な傾向が認められた. 夜行性の魚食性鳥類であるゴイサギの採食場所選択に関して,水田,水路,河川に対する選好性と,魚類の分布の対応を,その季節変動とあわせて明らかにした.
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