2005 Fiscal Year Annual Research Report
半乾燥地における効率的作物生産のための施設環境解析・制御
Project/Area Number |
16380173
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Research Institution | National Institute for Rural Engineering |
Principal Investigator |
佐瀬 勘紀 独立行政法人農業工学研究所, 農地整備部, 上席研究官 (80373223)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石井 雅久 独立行政法人農業工学研究所, 農地整備部, 主任研究官 (10343766)
池口 厚男 (独)農業・生物系特定産業技術研究機構, 畜産草地研究所・畜産環境部, 室長 (10222415)
蔵田 憲次 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (90161736)
兼子 敬子 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (50332599)
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Keywords | 半乾燥地 / 施設園芸 / 最適環境制御 / 冷房 / 換気 / 光質 / ストレス / 水消費抑制 |
Research Abstract |
半乾燥地帯に位置するアリゾナ大学環境調節農業センター(CEAC)のポリエチレン二重被覆温室を用いて環境測定を行い、自然換気量が室内湿度や水消費量に及ぼす影響を検討した。その結果、一定の設定気温の下で、換気量を減少させると湿度が増加し、細霧冷房のための水消費量が減少することを明らかにした。また、気温と湿度を同時に制御する簡易な制御アルゴリズムを考案し、その可能性を予備試験で明らかにした。さらに、細霧冷房時の温室内空気流動をシャボン玉を使って可視化し、温室中央上部で上昇気流が発生することなどの空気流動の特徴を明らかにした。また、半乾燥地温室で使用した被覆フィルムの分光透過率とその表面の電顕観察から、フィルム自体の分光透過率は、表面に付着した微小砂粒子によって、波長が短いほど透過率が低下する現象を見いだし、昨年度アリゾナの温室内で観察した現象の理由を解明した。 一方、自然換気と細霧による環境制御を行うためには、自然換気の基本的特性が不可欠である。そこで、対象温室の縮尺1/20の模型を用いて非等温条件下で風洞実験を実施し、風向や内外気温差が気温・気流分布に及ぼす影響を検討した。天窓開口部が風上に面している場合、外気は天窓上端から巻き込むように流入し、温室内に大きな循環流が形成された。流入気流は床面で暖められて上昇するため、風下から間口方向の1/3付近に高温域が発生した。一方、天窓開口部が風下に面している場合、床面付近の気流方向は逆となり、側窓開口部より高い位置の風上側に高温域が発生した。内外気温差の影響にっいては、内外気温差の増加に伴って上昇気流の範囲は増加し、循環流は弱まった。
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Research Products
(2 results)