2004 Fiscal Year Annual Research Report
家畜排泄物を利用したエタノール生産の実用化に向けた基礎研究
Project/Area Number |
16380181
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kyoto Prefectural University |
Principal Investigator |
宮崎 孔志 京都府立大学, 農学研究科, 講師 (60254322)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小島 洋一 京都府立大学, 農学研究科, 教授 (80046490)
牛田 一成 京都府立大学, 農学研究科, 助教授 (50183017)
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Keywords | 家畜排泄物 / エタノール / 好熱性細菌 / セルロース / 水素 / 光合成細菌 |
Research Abstract |
昨年度、家畜排泄物からエタノールを生成する細菌を単離したが、この細菌は家畜排泄物中に多く含まれるセルロースを利用することができなかった。そこで、本年度はセルロースを分解できる細菌の単離に取り組んだ。その結果、セルロースからのエタノール生成量の多い04株、05株を単離することができた。16S rRNA遺伝子の塩基配列を解析した結果、この2菌株はそれぞれ、Uncultured Thermoanaerobacterium sp.clone OUT-S7およびClostridium thermocellumと95%以上の相同性を示した。家畜排泄物とともに培養した結果、04株は3.7mmol/Lのエタノールおよび20.3mmol/Lの酢酸を生成した。そこで、04株を昨年度単離した03株とともに培養した結果、家畜排泄物から5.2mmol/Lのエタノールを生成することができた。さらに、実際に家畜排泄物を嫌気性細菌によって分解させるためには、酸素を除去する必要があり、好気性細菌との共培養が有効であると考えられた。そこで、家畜排泄物を分解でき、酸素処理能力の高い細菌を探索した結果、O-2株および12R株の単離に成功した。16S rRNA遺伝子の塩基配列を解析した結果、O-2株はBacillus sp.S13と98%の相同性を、12R株はUncultured Clostridium sp.clone AC036と95%の相同性を示した。これらの好気性細菌を、03株+04株とともにそれぞれ培養した結果、特にO-2株との共培養によってエタノール生成量が有意に高まった。しかし、同時に生成される多量の酢酸も有効活用するため、酢酸を利用して水素を発生させる光合成細菌の単離に着手したところである。このシステムが開発されれば、家畜排泄物の処理だけに留まらず、効果的にエネルギーを取り出せることにもなる。
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