2005 Fiscal Year Annual Research Report
乳牛の黄体機能調節の分子機構:血管新生・退縮と血管トーヌスによる生と死の支配
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16380183
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Research Institution | Obihiro University of Agriculture and Veterinary Medicine |
Principal Investigator |
宮本 明夫 帯広畜産大学, 大学院・畜産学研究科, 教授 (10192767)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松井 基純 帯広畜産大学, 畜産学部, 助手 (20374762)
手塚 雅文 帯広畜産大学, 畜産学部, 助教授 (40311526)
清水 隆 帯広畜産大学, 大学院・畜産学研究科, 助手 (90375113)
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Keywords | 遺伝子 / 細胞・組織 / 応用動物 / 生理活性 / 畜産学 |
Research Abstract |
黄体形成:乳牛において排卵直後からの活発な血管新生を抑制した場合の,黄体形成と機能に与えるインパクトを調べた。 ・実験モデル:GnRH投与後,排卵直後からbFGF抗体を排卵点に直接投与して,血管新生を強く抑制した。 ・実験結果 1)黄体内血流観察:カラードップラー超音波画像診断装置から得られた大型の血管を中心とした黄体周辺部の血流域の増加変動は,実験区と対照区で差は見られなかった。 2)内分泌環境の特定:血中P濃度は,bFGF抗体投与によってDay 8で対照区の約50%程度に著しく抑制された(P<0.01)。 3)関連遺伝子群の変動解析:P合成に関わる3b-HSDは,bFGF抗体投与によってDay 8で著しくmRNA発現が抑制された(P<0.05)。 現在,組織学的に黄体内部毛細血管および黄体細胞の成長と,関連遺伝子群の分布を詳細に調べている。 黄体退行:ウシの発情周期中において、黄体退行開始直前に起きる黄体血流域増加現象(黄体退行開始シグナル)の誘導候補である一酸化窒素を黄体内に投与し、黄体血流域と黄体退行に与える影響を検証した。 ・実験モデル:黄体期中期に一酸化窒素誘導物質(SNAP)を黄体内に直接投与すると同時に、リアルタイムバイオプシーを用いて微量の黄体組織を経時的に採取し、関連する遺伝子群を特定した。 ・実験結果 1)黄体内血流観察と内分泌環境:SNAP投与後1時間で黄体内血流域が200%まで急激に増加し、その後血流の減少と共に黄体は退行した。また、血中PGFMのピーク状放出が対照区よりも早まったことから、一酸化窒素が子宮由来のPGF2α分泌を誘導することで黄体内血流増加現象を引き起こし、黄体退行を導く可能性が示唆された。 2)遺伝子群の特定:SNAP投与4時間後から血管作動性物質であるエンドセリンー1mRNA発現が増加を続け、さらに一酸化窒素合成酵素のmRNA発現も増加傾向にあった。
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Research Products
(8 results)