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2005 Fiscal Year Annual Research Report

ハシブトガラスの雌雄相互認識法の解析と群形成の要因に関する研究

Research Project

Project/Area Number 16380185
Research InstitutionUtsunomiya University

Principal Investigator

杉田 昭栄  宇都宮大学, 農学部, 教授 (50154472)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 田中 秀行  宇都宮大学, 農学部, 教授 (70091949)
福井 えみ子  宇都宮大学, 農学部, 助教授 (20208341)
青山 真人  宇都宮大学, 農学部, 助手 (90282384)
Keywordsハシブトガラス / ハシボソガラス / 発声器官 / 弓状小羽枝節 / 有鈎小羽枝節 / D-loop / ハシブトガラス
Research Abstract

以下本17年度課題ごとに結果を記述する。
1)発声器官の形態計測
ハシブトガラスの発声器官を計測したところ、露出嘴峰長、舌長、舌幅、喉頭口長、気管長、鳴菅長においてオスがメスより有意に長かった。腹側鳴菅筋以外の鳴管筋全てにおいてオスがメスより長かった。また、背側鳴管筋、背側気管枝気管枝筋がメスよりオスが重かった。これらの気道の相違がオスとメスの声の性質を変えていることが示唆された。
2)羽の微細構造
ハシブトガラスのオスとメスの小羽枝を観察したところ、オスの弓状小羽枝節間の長さは31.3umであるのに対しメスのそれは29.2umであり有意差は認められなかった。また、オスの有鈎小羽枝節間の長さは27.0um、メスのそれは30.1umで有意にメスの方が長かった(p<0.05)。さらに小羽枝有鈎部の長さを測ったとことろ、オスのそれは23.6um、メスのそれは39.1umであり有意差が認められた(p<0.05)。このように有鈎小羽枝節間と小羽枝有鈎部の長さにオスとメスでは形態計測的に相違が確認され、これが羽装の相違を形成する可能性が示唆された。
3)ミトコンドリアDNAの解析
ハシブトガラスとハシボソガラスの遺伝子解析の第一段階としてmtDNAのD-loop領域の塩基配列の決定を行った。ハシボソガラスのmtDNAのD-loopの全長は1355bp〜1359bpであり個体間による相同性は98 99%であった。全領域中で最も塩基配列の置換が多いのは前半から中盤の範囲で、後半は相同性が高いことが分かった。ハシブトガラスのmtDNAのD-loopの全長は1355bpでありハシボソガラスの相同性は97〜98%であり両者は遺伝学的に近いと考えられた。ミヤマガラスとの相同性は30〜33%であり、ハシボソガラスとミヤマガラス相同性は低く種の間には遺伝学的に隔たりがあると考えられた。
4)オスとメスの行動に関する観察
オスとメスの行動について飼育下のカラスを用いて行動を解析中であるが、メスの方が新奇刺激に対し、警戒の度合いが強い傾向がみられるものの現在のところ明らかな相違は得られていない。

  • Research Products

    (4 results)

All 2006 2005

All Journal Article (4 results)

  • [Journal Article] ハシブトガラスにおける鳴き声の性差2006

    • Author(s)
      塚原直樹, 青山真人, 杉田昭栄
    • Journal Title

      日本鳥学会誌 (印刷中)

  • [Journal Article] カラスと人の知恵比べ2006

    • Author(s)
      杉田昭栄
    • Journal Title

      自然と環境 117

      Pages: 12-14

  • [Journal Article] カラスの科学2006

    • Author(s)
      杉田昭栄
    • Journal Title

      環境と測定技術 33

      Pages: 31

  • [Journal Article] カラス2005

    • Author(s)
      杉田昭栄
    • Journal Title

      現代農業 特別号

      Pages: 24-27

    • Description
      「研究成果報告書概要(和文)」より

URL: 

Published: 2007-04-02   Modified: 2016-04-21  

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