2004 Fiscal Year Annual Research Report
野生マウス由来の新規成長QTLの正確な染色体上の位置決定と候補遺伝子の解析
Project/Area Number |
16380186
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
石川 明 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 助教授 (20211724)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
並河 鷹夫 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 教授 (70111838)
海老原 史樹文 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 教授 (50135331)
|
Keywords | マウス / 成長 / QTL / 量的形質 / 候補遺伝子 / 染色体 / コンジェニック系統 |
Research Abstract |
本研究の目的は、第2染色体上に位置づけられた野生マウス由来の新規成長QTL(量的形質遺伝子座)の正確な染色体上の位置を決定し、候補遺伝子を発見することである。本年度は以下のことを行った。 1.サブコンジェニック系統の作出:成長QTLを導入したコンジェニック系統の雄とC57BL/6J系統の雌を交配し、F1雑種を得た。F1同士を交配して165個体のF2世代を得た。F2の耳介からゲノムDNAを抽出し、マイクロサテライトマーカーの遺伝子型をPCRとアガロースゲル電気泳動法により決定した。その結果、着目した染色体領域内に様々な組換えを起こしている57個体の組換体を得ることに成功した。次年度のサブコンジェニック系統の樹立のために、これらの中から約5cM毎に組換えを示す個体を選抜した。 2.候補遺伝子の解析:マウスゲノムデータベースを検索した結果、着目した染色体領域内に成長・肥満に関与する明確な候補遺伝子としてグルカゴン(Gcg)遺伝子を検出することができた。次に、コンジェニック系統とC57BL/6J系統間でGeneChipによるマイクロアレイ解析を行った。その結果、2倍以上の遺伝子発現量の差異を示した遺伝子の数は、精巣周囲白色脂肪では既知遺伝子が4個、未知遺伝子が3個であり、肝臓では既知遺伝子が2個のみであった。これらの既知遺伝子は成長・肥満に明確に関与していなかった。グルカゴン遺伝子は膵臓以外に肝臓においても発現しているが、マイクロアレイ解析の結果では明確な発現量の差異は見られなかった。遺伝子発現の組織特異性の問題は考えられるが、グルカゴン遺伝子は候補遺伝子ではないかもしれない。
|
Research Products
(2 results)