2005 Fiscal Year Annual Research Report
水チャンネル発現の制御による卵子の凍結保存-哺乳動物から無脊椎動物まで-
Project/Area Number |
16380190
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
葛西 孫三郎 高知大学, 農学部, 教授 (60152617)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
枝重 圭祐 高知大学, 農学部, 助教授 (30175228)
越本 知大 宮崎大学, フロンティア科学実験総合センター, 助教授 (70295210)
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Keywords | アクアポリン / 細胞膜透過性 / 卵子の凍結保存 / マウス / 魚類 |
Research Abstract |
1.マウス胚における水やグリセロール透過にアクアポリン3(以下AQP3)が直接関与していることをあきらかにするために、1細胞期胚にAQP3のdouble strand RNA(以下dsRNA)を注入してAQP3タンパクの発現を抑制して、桑実胚の水および耐凍剤に対する透過性を調べた。dsRNAを注入した桑実胚の水に対する透過性は著しく低下し、チャンネルに依存した水透過はほとんどAQP3によって行われていることがわかった。また、グリセロール透過性も有意に低下したが、まだ高い透過性を保っていたことから、AQP3はグリセロール透過の一部は担っているが、他のチャンネルも関与していることが示唆された。 2.ゼブラフィッシュ卵子と胚の水および耐凍剤透過性について調べた。メダカの場合と同様に、胚と成熟卵子の膜透過性は著しく低かったが、成熟する数時間前の未成熟卵子の膜透過性はかなり高かった。特に、エチレングリコールやプロピレングリコールの透過性がかなり高かった。これらの耐凍剤を透過するチャンネルが未成熟卵子に発現している可能性が示唆された。 3.凍結保存に成功したと報告されたヒラメ胚の水および耐凍剤透過性について調べた。予想に反して、ヒラメ胚の水や耐凍剤に対する透過性は、メダカやゼブラフィッシュの胚と同様に著しく低かった。また、報告どおりに凍結保存を試みたが、すべての胚が死滅した。現在、凍結保存が本当に可能かどうか、より詳細に調べている。 4.ワックス層を除去したキョウソヤドリコバチ胚の水透過性と耐凍剤透過性を調べた。ワックス層除去胚の水透過性は比較的高く、DMSOとエチレングリコール透過性も比較的高かった。これらの耐凍剤がワックス層除去胚の凍結保存に向いていると考えられた。
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Research Products
(7 results)
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[Journal Article] Channel-dependent permeation of water and glycerol in mouse morulae2006
Author(s)
Keisuke Edashige, Mitsunobu Tanaka, Natsuko Ichimaru, Satoshi Ota, Ken-ich, Yazawa, Yuko Higashino, Megumi Sakamoto, Yohei Yamaji, TATSUNAGA Kuwano, Delgado M.Valdez Jr., F.W.Kleinhans, Magosaburo Kasai
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Journal Title
Biology of Reproduction 74・4
Pages: 625-632
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