2006 Fiscal Year Annual Research Report
母体-胎盤-胎児軸における胎児毒性の発現機構に関する多面的解析
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16380206
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
上塚 浩司 東京大学, 大学院農学生命科学研究科, 助手 (60251419)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
熊谷 進 東京大学, 大学院農学生命科学研究科, 教授 (60109965)
小野寺 節 東京大学, 大学院農学生命科学研究科, 教授 (90012781)
塩田 邦郎 東京大学, 大学院農学生命科学研究科, 教授 (80196352)
中山 裕之 東京大学, 大学院農学生命科学研究科, 教授 (40155891)
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Keywords | 胎児中枢神経障害 / 5-azacytidine / hydroxyurea / etoposide / アポトーシス / 細胞周期 / p53 / 神経前駆細胞 |
Research Abstract |
本年度は、5-Azacytidine(5AZC)、hydroxyurea(HU)による胎児中枢神経毒性の発現機構について、さらに詳細な検討を行なった。また、新たにEtoposide(VP-16)による胎児中枢神経毒性の発現についても、細胞周期停止およびアポトーシスの発現時期の特徴を明らかにした。 5AZCは、マウス胎児脳において、神経前駆細胞にアポトーシスを誘導し、その増殖を抑制する。神経前駆細胞は細胞周期進行と連動して脳室帯領域を移動しながら、細胞分裂とその後の細胞分化を果たすが、5AZCで処置したマウス胎児脳ではS期の神経前駆細胞に5AZCが取り込まれDNA障害が起こる結果、その後のG2期あるいはM期において細胞周期の進行が停止し、細胞の多くは正常な移動が停滞し、アポトーシスを起こす。中には細胞分裂を果たすものもあるが、分裂後の娘細胞もその後のG1期で細胞周期が停止し、アポトーシスに陥る。このアポトーシスの発現機構はp53遺伝子に依存的であるのに対して、G2/M期の細胞周期障害の発現機構はp53遺伝子とは独立した機構であることが示唆された。さらに、このような胎児脳では、ミクログリア細胞の誘導を伴う修復機構が作用し、各種の修復に関連した遺伝子の発現が誘導されていることが示された。 HUおよびVP-16でも同様に、細胞周期の停止とアポトーシスが処置マウスの胎児脳に誘導され、このアポトーシスの誘導の機構には、p53遺伝子の関連が示唆された。
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Research Products
(6 results)