2004 Fiscal Year Annual Research Report
ロドコッカス・エクイ病原性プラスミドのPathogenicity Island-病原体の進化と分子疫学-
Project/Area Number |
16380208
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
高井 伸二 北里大学, 獣医畜産学部, 助教授 (80137900)
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Keywords | ロドコッカス・エクイ / 病原性 / プラスミド / pathogenicity island / 馬 / 感染症 / 毒力 / 遺伝子 |
Research Abstract |
本研究は、この作業仮説:ロドコッカス・エクイ病原性プラスミドがどの様に病原遺伝子群を獲得して、潜在プラスミドが病原性プラスミドに進化し、馬に対する病原性獲得メカニズムを解明することにある。これまでの研究から、強毒株と中等度毒力株における病原性プラスミドのvap familyを含む領域は、異なる系統の菌から侵入した遺伝子塊pathogenicity island(PAI)である可能性が示唆され、さらに強毒株と中等度毒力株のPAIは同じ起源を持ち、多型性を形成した後にR.equiの潜在性プラスミドに侵入したのではないかと推察されている。この仮説を基に、以下のことが明らかとなった。強毒株が保有する病原性プラスミドはそのRFLP型別から世界中に12種類のプラスミド型が存在する。このうちブラジル分離株はサザン・ハイブリダイゼーションの成績と制限酵素BamHI消化切断像の病原性プラスミド型87kb type Iとの類似性から87kb type IIIに型別された。次に12種類のプラスミド型間で、PAI内における2つの領域とPAI外の13の領域の塩基配列についてpREAT701のデータと比較したところ、PAI内の2つの領域では100%の相同性が、PAI外の領域では点変異が、様々な発生頻度でそれぞれのプラスミド型ごとに認められた。PCRやサザン・ハイブリダイゼーションの結果を基に作成されたプラスミド地図と点変異解析結果の比較検討から、12種類のプラスミド型を5つのグループに分類することができた。グループの内訳は(1)群が85kb I、II、III及びIV型、(2)群が90kb II及びV型、(3)群が87kb I及びIII型、(4)群が90kb II、III及びIV型、(5)群が87kb II型であった。さらに今回、PAI以外の領域の病原性プラスミドのプロトタイプを検索する目的で、無毒株が保有する潜在性プラスミドにpREAT701を鋳型として作製した19箇所のプローブでサザン・ハイブリダイゼーションを行ったところ、韓国済州島で分離された無毒株1株について17箇所で陽性となり、病原性プラスミドのプロトタイプが無毒株の潜在性プラスミドの中に存在することが強く示唆された
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Research Products
(6 results)