2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16380225
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
内田 隆史 東北大学, 学際科学国際高等研究センター, 助教授 (80312239)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辛 龍雲 東北大学, 医学系研究科, 講師 (40271910)
内田 千代子 茨城大学, 保健管理センター, 助教授 (80312776)
福本 学 東北大学, 加齢医学研究所, 教授 (60156809)
西森 克彦 東北大学, 大学院・農学系研究科, 教授
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Keywords | プロリン異性化酵素 / Pin1 / Myc / P53 / Tau / アルツハイマー病 / 癌 / リン酸化 |
Research Abstract |
2002年の2つのnature,2003年のnatureに続き、今年度はPin1がc-mycのユビキチン分解に関与しているという発見をNature Cell Biologyに発表した。Mycは癌遺伝子であり分解がスムーズに行われないと、細胞は不死化して増殖をやめなくなる。つまり癌細胞になる。したがって、mycの分解に関する研究は癌の分野でブレイクスルーとなる研究である。これ以外に、今年度は神経変性疾患とプロリン異性化酵素Pin1に関して研究した。一つは、Ser/Thrがリン酸化されたタンパク質に結合するPin1に関する研究で、もう一つは、Pin1のリン酸化タンパク質結合部位と結合するWWモチーフを有するタンパク質として再発見したGAS7に関する研究である。Pin1がアミロイドの産生を促進する機能を有することを明らかにして、その分子機構を解明した。すなわち、アミロイド前駆タンパク質(APP)がアルファセクレターゼで切断されてC99になると、Thr668がGSK3でリン酸化されて、そこにPin1が結合し、ガンマセクレターゼによる切断を受けやすくする機構を発見した。アミロイド生成はアルツハイマー病の重要なファクターであり、患者の多さと有効な薬剤が現在ほとんどないことを考えると、本研究が与えるインパクトは大きい。さらに、Pin1とPin1の基質となるリン酸化ペプチドの結合を水晶発振子を用いた装置で検討した。さらにこの結合が我々の発見したPin1プロリン異性化酵素阻害剤PiBで阻害されることを明らかにした。Gas7に関しては、Gas7がリン酸化タウに結合することを明らかにした。現在、Gas7がタウを介して微小管重合にどのように関わっているかについて明らかにすべく研究している。
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Research Products
(5 results)