2005 Fiscal Year Annual Research Report
バイオアッセイ系としてより完備型の培養人工皮膚の作製と組織間相互作用の解明
Project/Area Number |
16380227
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
西山 敏夫 東京農工大学, 農学部, 教授 (60372455)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新井 克彦 東京農工大学, 農学部, 助教授 (60175940)
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Keywords | 培養人工皮膚 / コラーゲン / 細胞外マトリックス / 基底膜 / 線維芽細胞 / ケラチノサイト / MMP / メカニカルストレス |
Research Abstract |
培養人工皮膚の基底膜形成がマトリックス分解酵素MMPsとセリンプロテアーゼの両阻害剤により顕著に促進される事が示された。特に、セリンプロテアーゼのプラスミンも基底膜の分解に関与し、ラミニン5のα3鎖のG3ドメインとβ3鎖のIVドメインをフラグメント化することが解った。前者は細胞接着、後者はVII型コラーゲンとの結合に関与するので、プラスミンはラミニン5を分解し、表皮と真皮の結合を阻害することが示された。分解酵素系の過剰発現と基底膜構造異常から、この培養人工皮膚は皮膚紫外線傷害や光老化過程の状態に類似しており、紫外線の皮膚への影響を研究するバイオアッセイ系として活用できる。 細胞制御因子としてのメカニカルストレスの作用解析のため、培養人工皮膚に張力負荷をかける培養器具を開発した。周期的な張力負荷により、XII型コラーゲン、テネイシンC、トロンボスポンジン1などのECM関連分子の遺伝子発現上昇が認められた。今後、定量的解析と発現機構について検討する。また、張力負荷によるマウスXII型コラーゲンプロモーター活性上昇にc-Junの関与が示唆された。生体皮膚でのメカニカルストレスの影響を解析するために張力負荷に応答するXII型コラーゲンプロモーター領域を含むTgマウスを作製し、発現部位の解析を開始した。 バーシカン-GFP陽性マウス毛乳頭細胞は毛包形成促進作用を持つ。GFP陽性であることが毛包形成促進作用の重要な指標である。種々の増殖因子やメカニカルストレスでは培養細胞の陽性率を維持できなかった。一方、ある種のキナーゼ阻害剤で陽性率の減少を抑制することが認められた。さらに、毛包を含む培養人工皮膚作製のため、このマウス毛乳頭細胞をヒト培養人工皮膚に定着する方法を検討し、培養2週間で表皮組織の陥没や真皮内に凝集した毛乳頭細胞を含む組織像が観察された。今後、さらに培養条件の改良を行う。
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Research Products
(1 results)