2004 Fiscal Year Annual Research Report
アブシジン酸応答性転写誘導におけるシグナル伝達機構の解明
Project/Area Number |
16380228
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
服部 束穂 名古屋大学, 生物機能開発利用研究センター, 教授 (10164865)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加賀谷 安章 三重大学, 生命科学研究支援センター, 助手 (20335152)
|
Keywords | アブシジン酸 / プロテインキナーゼ / リン酸化 / プロトプラスト / シグナル伝達 / イネ / 浸透圧ストレス / RNAi |
Research Abstract |
TRAB1のABA依存的リン酸化を担うプロテインキナーゼを同定する目的で、イネのSnRK2プロテインキナーゼファミリーの網羅的解析を行った。このファミリーには気孔閉鎖のABA制御に関わるAAPKやOST1など、ABAシグナルトランスダクションに関わるプロテインキナーゼが含まれることから、TRAB1キナーゼもこのファミリーに存在することを期待した。イネゲノムにはSnRK2ファミリーメンバーが10個コードされており、SAPK1〜10と命名した。エピトープタグを付けたこれらメンバーのcDNAをプロトプラストで発現させることにより、その活性制御を検討した。その結果、SAPK8〜10がABAによって速やかに活性化されることが明らかとなった。そしてさらに、これら3つのプロテインキナーゼがABRE結合タンパク質TRAB1をABA依存的にリン酸化するプロテインキナーゼであることを示唆すつぎのようなデータを得た。(1)ABAによるSAPK8〜10の活性化キネティクスは、TRAB1のリン酸化キネティクスより若干速かった。(2)in vitroにおいて、これらprotein kinaseはTRAB1を効率よくリン酸化した。(3)(2)のリン酸化の主要なリン酸化部位の1つはin vivoにおいてABA依存的リン酸化を受けるSer-102であった。(4)ABREのみをシスエレメントにもつレポーター遺伝子とSAPK8、9あるいは10をプロトプラストにおいて共発現させるとレポーター遺伝子のbasalな発現が増加した。(5)SAPK8の発現抑制植物(RNAi)では、SalTをはじめとするいくつかのABA応答性遺伝子の発現誘導が顕著に抑制された。 以上より転写制御因子へのABAシグナル伝達の重要なステップが明らかとなった
|
Research Products
(2 results)