2005 Fiscal Year Annual Research Report
分裂酵母の小胞輸送におけるホスファチジルイノシトールリン酸結合蛋白質の機能解析
Project/Area Number |
16380231
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
竹川 薫 香川大学, 農学部, 教授 (50197282)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 直孝 香川大学, 農学部, 助教授 (60324109)
杉浦 麗子 近畿大学, 薬学部, 教授 (90294206)
中村 太郎 大阪市立大学, 理学研究科, 講師 (30291082)
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Keywords | 分裂酵母 / ホスファチジルイノシトール / 小胞輸送 / 胞子形成 / エンドサイトーシス / PXドメイン / FYVEドメイン |
Research Abstract |
これまでに真核細胞においてホスファチジルイノシトール(PI)リン酸と特異的に結合するタンパク質について多くの報告がなされた。分裂酵母のPI 3-Pと特異的に結合するドメインとしてFYVEドメイン及びPXドメインが報告されている。そこで分裂酵母の全ゲノム塩基配列を検索したところ、FYVEドメインを持つタンパク質は5個、PXドメインを持つタンパク質は少なくとも13個存在することがわかった。そこでこれらの全破壊株を作成して諸性質の解析を行なった。PXドメイン含有タンパク質の中でSNAREモチーフを持つ1遺伝子を見出し、vsl1(vam7-like)遺伝子と名付けた。本遺伝子を破壊した単独破壊株は顕著な表現型を示さなかったが、他のSNARE遺伝子との多重破壊により液胞形態形成に重要であることを明らかにした。さらにPXドメインが液胞膜局在に必須であることも明らかにした。また分裂酵母細胞内のPIリン酸を脱リン化するホスファターゼ破壊株を作成し、その特異性について検討を行なった。その結果、出芽酵母のSAC1遺伝子と相同性の高い分裂酵母遺伝子を破壊した場合、細胞形態異常やサイトキネシスなどに異常を示すことがわかった。また本破壊株の細胞内のPIの測定を行ったところ、PI4-Pが顕著に蓄積していることがわかり、本遺伝子産物が分裂酵母のPI4-Pホスファターゼであることを明らかにした。また分裂酵母のPI 4-リン酸5-キナーゼをコードするits3遺伝子変異株の解析結果から、分裂酵母においてPI4,5-P2は細胞の形態維持に重要な役割を果たしていることを明らかにすることが出来た。
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Research Products
(3 results)