2005 Fiscal Year Annual Research Report
精密有機合成を基盤とする生物活性アルカロイド合成と創薬リード分子の創製
Project/Area Number |
16390003
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
西田 篤司 千葉大学, 大学院・薬学研究院, 教授 (80130029)
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Keywords | ラピディレクタム / アルカロイド / 異性化 / 環化異性化 / インドリン / ルテニウム錯体 / フィスチロシン |
Research Abstract |
1)ルテニウムカルベン錯体新規環化異性化反応の開発と天然物合成 Grubbsにより開発されたルテニウムカルベン錯体をビニロキシトリメチルシランと反応させると新たな錯体が調製された。本錯体は、末端二重結合の選択的異性化、α,ω-ジエンの環化異性化反応を触媒することを見いだした。本反応における置換機構化を精査し、環化遷移状態における置換基と触媒の相互作用を明らかとした。 本反応を用いて抗菌・抗カビ作用を有するフィスチロシンとして提唱された構造を合成した。しかし、提唱された構造の機器データは天然物から得られた機器データと一致せず、提出構造が間違っていたことが判明した。天然物サンプルおよびスペクトルデータも入手できないことから構造解明のためには再単離が必要となった。 2)コプシアアルカロイド、ラピディレクタムの合成研究 ラピディレクタムはマレー産Kopsia lapidilektaの茎および葉から得られた5環性インドールアルカロイドであり、その生物活性は不明である。これまで全合成研究は無かった。閉環メタセシス反応によりピロロアゾシン骨格を構築の後、我々が開発した二重結合の異性化を伴うHeck型反応を用いて、4環性中間体を合成した。置換基の立体科学の反転、およびインドール3位へのアシル基の導入を行った。いずれの反応も高い立体選択性が観測され、また、立体選択性の発現には中心8員環構造のコンホメーションの制御が重要であることが示唆された。6員環形成の後天然物に導く予定である。
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Research Products
(4 results)