2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16390006
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
竹本 佳司 京都大学, 薬学研究科, 教授 (20227060)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮部 豪人 京都大学, 薬学研究科, 助教授 (10289035)
|
Keywords | チオウレア触媒 / マイケル付加反応 / 活性メチレン化合物 / ヒドラジノ化反応 / 2置換アミノ酸 / 触媒的不斉反応 / ラジカル反応 / ケトイミン |
Research Abstract |
1)チオウレア触媒を用いた不斉反応の開発 当研究室で開発した一般塩基と一般酸を兼ね備えた多機能型チオウレアおよびウレア触媒を用いた不斉反応の検討と新たな有機ウレア触媒の合成を行い以下の知見を得た。 (1)従来困難であった不飽和カルボン酸誘導体への炭素求核種のマイケル付加反応をチオウレア触媒で検討し、N-アシルピロリジノンからなる不飽和イミドを基質に用いると90%eeを超えるエナンチオ選択性でマロノニトリルのマイケル付加反応がスムーズに進行することを初めて見出した。 (2)キラルな4級アミノ酸誘導体の簡便な不斉合成法の検討を行い、環状の1,3-ジカルボニル化合物とアゾジカルボン酸エステルを多機能性ウレア触媒共存下、混ぜるだけで付加反応が進行し、対応するヒドラジノ化体が85%eeから93%eeで得られることを明らかにした。本反応では従来のチオウレア触媒ではなく、ウレア触媒が有効であった。さらに、得られた生成物を利用して、2置換アミノ酸の不斉合成を行った。 2)水素結合を利用した高速ラジカル付加反応の開発 新規なケトイミノラジカル受容体を開発することを目的として、水素結合によるイミン類の活性化研究を行った。特に、水素結合の効果を調べるために、現在までほとんど成功例の無いケトイミン類へのラジカル付加反応を検討した。 (1)イミン部位と分子内で水素結合を形成できる基質を用いた場合、非常に速く反応が進行することを見出し、本反応の立体制御研究や水中炭素-炭素結合形成反応に展開した。
|
Research Products
(6 results)