2004 Fiscal Year Annual Research Report
シラアレンカチオン活性種及び類縁体の合成開発と応用研究
Project/Area Number |
16390008
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
長尾 善光 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (40027074)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐野 茂樹 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教授 (20226038)
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Keywords | シラアレン / シラアレンカチオン / ジアリルアルキニルフルオロシラン / テトラフルオロシラン / テトラクロロシラン / アリルトリクロロシラン / ジアリルジクロロシラン / ジアリルジフルオロシラン |
Research Abstract |
我々は数年来研究展開してきたアレン化学の研究成果(J.Synth.Org.Chem.,Jpn.2003,61,1088-1098.)を基盤として、米国ウイスコンシン大学のR.Westらによってのみ若干検討されている1-シラアレン種ならびに未開拓分野の1-シラアレンカチオン種の合成開発と応用研究に着手した。現在までに次のような研究成果が得られている。ジアリルアルキニルフルオロシランを1-シラアレン種ならびに1-シラアレンカチオン種として着目しその合成を試みた。ジアリルアルキニルフルオロシランの合成を従来法に従って、テトラフルオロシランとアリルリチウムとの反応によって先ず、アリルトリフルオロシランを合成した。次いで、アリルトリフルオロシランと各種アリル及びアルキルリチウムと反応させて所望の各種三置換モノフルオロシランを合成した。しかしながら、本合成法は取扱い困難なテトラフルオロシランを使用するという問題があったので、新規な合成法を試みそれに成功した。すなわち、各種アリルブロミドとn-ブチルリチウムとを反応させてアリルリチウム体に変換し、テトラクロロシランと反応させてアリルトリクロロシランに誘導する。その反応液に別途に合成したアリルリチウム体を反応させて各種ジアリルジクロロシランを得た。ジアリルジクロロシランをフッ化銅(II)と反応させたところ、対応する各種ジアリルジフルオロシランを高収率で得た。ジアリルジフルオロシランを種々のリチウムアセチリドと反応させることにより、所望の各種ジアリルアルキニルフルオロシランを安価で効果的に得ることに成功した。その分子構造はX線結晶構造解析にて確認している。現在、各種ジアリルアルキニルフルオロシランを用いて1-シラアレン種ならびに1-シラアレンカチオン種の合成を検討している。
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