2005 Fiscal Year Annual Research Report
マイケル-アルドール連続反応を用いた多不斉中心同時構築法の開発
Project/Area Number |
16390009
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Research Institution | Gifu Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
片岡 貞 岐阜薬科大学, 薬学部, 教授 (00082975)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩村 樹憲 岐阜薬科大学, 薬学部, 助教授 (70184900)
渡辺 真一 岐阜薬科大学, 薬学部, 助手 (40275095)
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Keywords | タンデム(連続)反応 / マイケル反応 / アルドール反応 / オキサゾリジンチオン / アルデヒド / アルドール / ルイス酸 / 不斉合成 |
Research Abstract |
1.ルイス酸と立体選択性の関係の解明:不斉Michael付加の段階が我々の実験結果と既報のPalomoらの結果とで異なることを、彼らと同一の化合物で異なるルイス酸を用いて確認し、生成物の立体化学を決定した。また、反応中間体である環状イミニウム塩の単離を試み、2,3の化合物で塩を得た。BF_3・Et_2Oを用いた反応の主生成物の立体構造が11Rであることを明らかにした後、アルドール反応を行ったが、反応は進行せず、レトロMichael反応が起こった。そこでレトロMichael反応を起こさせないでアルドール反応を進めるために、これらのイミニウム塩に対して求核剤の反応を行い、その後アルドール反応を行うように計画した。現在、求核剤の導入に成功し、引き続き、アルドール反応を行う予定である。 2.分子内不斉マイケル-アルドール反応生成物の化学変換と生成物の利用:N-シンナモイルオキサゾリジンチオンとアルデヒドの反応から得られる3環系化合物を、酸性条件で加水分解、S-メチル化、還元することにより不斉中心が3つ連続した光学活性1-フェニル-2-メチルチオ-1,3-プロパンジオールへと誘導した。この方法の過程においては、立体的に嵩高いオキサゾリジン不斉補助基の除去がことのほか難しく、THF-水溶媒でNaBH_4を用いる方法で還元的に除去できることを見出した。また、アセタールとの反応生成物は水酸基がアルコキシ基に変換されているので、LiALH4を用いて還元的に不斉補助基を除去できた。光学活性生成物の不斉アミノ化について検討したが、化学収率はよかったが、エナンチオ選択性については更なる検討が必要である。 3.分子間不斉マイケル-アルドール反応の検討:不斉硫黄化合物を種々合成し、不斉マイケル反応並びにマイケル-アルドール反応を検討した。化学収率のよい反応は見出しているが、立体選択性の向上が今後の課題である。
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