2004 Fiscal Year Annual Research Report
インスリンDDSのためのグルコース応答性ナノ薄膜の開発
Project/Area Number |
16390013
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
安齋 順一 東北大学, 大学院・薬学研究科, 教授 (40159520)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柏木 良友 東北大学, 大学院・薬学研究科, 助手 (50204384)
星 友典 東北大学, 大学院・薬学研究科, 助手 (50302170)
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Keywords | コンカナバリンA / 糖ポリマー / ナノ薄膜の崩壊 / ナノ薄膜 / 単分子層 / デキストラン / グリコゲン / 交互累積膜 |
Research Abstract |
コンカナバリンAと糖ポリマーを用いたナノ薄膜の作製方法について検討を行った。すなわち、糖ポリマーとしてグリコゲンおよびデキストランを用いて、コンカナバリンAとともに交互累積膜(ナノ薄膜)の作製を検討した。両ポリマーともにグルコース単位から構成されるポリマーであるにもかかわらず、グリコゲンは良好なナノ薄膜を与えたが、デキストランを用いるとナノ薄膜は調製できないことが判明した。グリコゲンとコンカナバリンAのナノ薄膜を作製する条件(pH、濃度、イオン強度、処理時間、洗浄時間)を検討して最適条件を確定した。最適条件で作製したナノ薄膜はほぼ単分子層のコンカナバリンAの累積層が形成されていることが明らかになった。 次に、作製したナノ薄膜の緩衝液中での安定性を検討した。その結果、pH7〜9程度では安定であることがわかった。さらに、糖に対する安定性を検討した結果、グルコースとマンノース、およびそれらのメチル誘導体が存在すると、糖の濃度に応じてナノ薄膜が崩壊することが判明した。ナノ薄膜の崩壊を起こす糖濃度は、それらの糖とコンカナバリンAとの結合定数の大小に依存することが明らかになった。また、メチル誘導体は未置換体よりも速やかにナノ薄膜の崩壊を引き起こした。いずれの糖もミリモル程度の濃度でナノ薄膜の崩壊を引き起こす事がわかった。また、崩壊に至る応答時間も1〜2分程度と迅速であった。換言すれば、作製したグリコゲンとコンカナバリンAのナノ薄膜が糖に対して応答性を示すことが確認された。
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