2006 Fiscal Year Annual Research Report
細胞内シグナル分子を標的とする新たな抗免疫・炎症薬開発の戦略
Project/Area Number |
16390024
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Research Institution | Kyoritsu University of Pharmacy |
Principal Investigator |
笠原 忠 共立薬科大学, 薬学部, 教授 (60049096)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
園田 よし子 共立薬科大学, 薬学部, 助教授 (30050743)
横田 恵理子 共立薬科大学, 薬学部, 講師 (10222457)
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Keywords | TNFシグナル / TRAF6 / NF-κB / 接着斑キナーゼ / DNAマイクロアレー / MALDI-TOF / MS / アポトーシス |
Research Abstract |
本年度は、本プロジェクトの最終年度であり、シグナル伝達に関わる分子群に焦点をあて分子間相互作用を明らかにするとともに、これを標的とする薬物の開発につながる研究の展開を計った。具体的には、接着斑キナーゼFAKやTRAF6がそのサイトカイン産生やアポトーシスを制御する重要なシグナル分子であることから、FAKならびにTRAF6欠損細胞を用いて、TNFαや酸化ストレスによるアポトーシス誘導やサイトカイン産生の解析を行うとともに、新規薬物の作用解析を行った。本年度を含む、3年間のまとめてとして、以下の知見が得られた。 1.FAKのTNFα誘導アポトーシスに対する耐性機序の解析:FAK欠損細胞ではFAK+/-細胞に比べ細胞死が起こりやすく、カスパーゼの活性化とJNKの活性化が容易に見られることを明らかにした(Takahashi et al. 2007)2.TRAF6欠損細胞におけるアポトーシス誘導とそのシグナル分子の解析:TRAF6欠損細胞では、TNFαによりアポトーシスが誘導されやすく、TRAF6が細胞死から保護することを見い出し、その分子機構を明らかにした(Ichikawa et al. 2006)。3.神経変性疾患にみられる神経細胞死の分子シグナル機構の解析:神経細胞死に至る分子メカニズムをとくにオルガネラからの視点から考察し、その分子機構を明らかにした(Murakami et al. 2007)。そのほか、4.グリチルリチンとその誘導体の炎症性サイトカイン産生誘導シグナルに及ぼす効果の検討、5.抗がん剤による細胞死に至るシグナル解析とSUMO化との関連、6.マウスメラノーマ細胞の転移に関わるシグナル分子の解析、を行った。これらのシグナル関連分子群の解析は、抗炎症薬や抗がん剤による作用の新たな解析とともに、新たな薬物の開発の基盤を与えるものと考えられた。
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Research Products
(11 results)