2004 Fiscal Year Annual Research Report
グリコサミノグリカン糖鎖の機能解析による創薬と医療応用への基盤技術の開発
Project/Area Number |
16390026
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kobe Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
菅原 一幸 神戸薬科大学, 薬学部, 教授 (60154449)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北川 裕之 神戸薬科大学, 薬学部, 助教授 (40221915)
山田 修平 神戸薬科大学, 薬学部, 講師 (70240017)
三上 雅久 神戸薬科大学, 薬学部, 助手 (20330425)
BAO Xingfeng 神戸薬科大学, 薬学部, 外国人特別研究員
LI Fuchuan 神戸薬科大学, 薬学部, 外国人特別研究員
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Keywords | コンドロイチン硫酸 / デルマタン硫酸 / 硫酸基転移酵素 / 先天性脊椎・骨端異形成症 / コンドロイチン重合化因子 / RANi / 神経突起伸長 / プライオトロフィン |
Research Abstract |
(1)ヒトの先天性脊椎・骨端異形成症(spondyloepiphyseal dysplasia, SED)がコンドロイチン硫酸(CS)の二糖繰り返し領域のN-アセチルガラクトサミン(GalNAc)の6位の硫酸化を触媒するコンドロイチン6-O-硫酸基転移酵素-1(C6ST-1)の変異によって発症することを証明し、CSの特定の部位の硫酸化が遺伝性疾患に関わっていることをはじめて明らかにした。 (2)コンドロイチン合成酵素(ChSy)と同様に、コンドロイチンの基本骨格の生合成に関わるコンドロイチン重合化酵素(ChPF)の線虫のオルソログPAR2.4をクローニングした。mR2.4の機能低下により、ChSyの変異体と同様に、線虫の胚発生初期の細胞質分裂が異常になることが分かり、コンドロイチンがin vivoで重要な機能を果たしていることを明らかにした。 (3)サメ皮膚より分子量約70kDaのCS/デルマタン硫酸(DS)ハイブリッド糖鎖を精製した。サメ皮膚由来CS/DSはユニークな構造を持つ糖鎖で、特にGlcA(2S)-GalNAc(4S)(GlcA,2S,4Sはそれぞれグルクロン酸、2-O-硫酸、4-O-硫酸を示す)という新規な二糖単位を含んでいた。サメ皮膚由来CS/DSは神経突起伸長促進作用、種々の細胞増殖因子や神経栄養因子との結合能を示すと共に、抗ヘパリンコファクターII活性をも示した。従って、このような糖鎖の治療薬への応用の可能性が強く示唆された。 (4)ブタ胎児脳より精製したCS/DS鎖(E-CS/DS)は初代培養神経細胞に対して神経突起伸長促進作用を持つことを既に明らかにしている。今回の研究から、E-CS/DSの作用発現には、初代培養系に混在するグリア細胞由来の内因性のPTNを介するシグナル系が少なくとも一部関与していることを明らかにした。さらにPTNのE-CS/DS鎖上の結合構造はDやEユニットといったジ硫酸化二糖単位とイズロン酸を含む二糖単位からなる特徴的なCS/DSハイブリッド構造であることを明らかにした。
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Research Products
(3 results)