2005 Fiscal Year Annual Research Report
蓄積性神経毒の中枢排出機構の解明と分子創薬基盤の構築
Project/Area Number |
16390037
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大槻 純男 東北大学, 大学院・薬学研究科, 助教授 (60323036)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺崎 哲也 東北大学, 未来科学技術共同研究センター, 教授 (60155463)
淺島 朋子 東北大学, 大学院・薬学研究科, 助手 (00400268)
上家 潤一 東北大学, 大学院・薬学研究科, 助手 (10400269)
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Keywords | 血液脳関門 / 排出輸送 / 神経毒 / ABCトランスポーター / キノリン酸 / ABCG2 / 脳内局在 / 制御 |
Research Abstract |
毒物、異物の排出やコレステロールの脳内動態に関わるATP binding cassette(ABC)transporter A (ABCA) family及びABCG familyの脳発達過程も含めた脳内のmRNA発現の局在を明らかにした。その結果、いくつかのsubtypeが脳血管内皮細胞に発現している可能性を示唆した。さらに、前年度、脳毛細血管に発現し機能していることを培養細胞を用い報告したABCG2に関して、その輸送への関与の大きさを示す目的で、特異的に発現するsiRNAを開発し、ABCB1,ABCC1の発現は抑制せず、ABCG2のみを北西することを示した。有機アニオン輸送系であるOAT3は血液脳関門において、尿毒症物質であるindoxyl sulfateの脳からの排出に関わっている。Diffrential displayを用いて、脳毛細血管内皮細胞と網膜毛細血管内皮細胞の発現を比較し、脳毛細血管内皮細胞に選択的に発現している分子としてandrogen receptorを同定し、さらに、androgen receptorによってOAT3の発現と機能が制御されていることを明らかにした。OAT3は毒性物質だけではなく薬物の排出にも関わっていることから、この制御機構は脳への薬物分布を変動させる要因として重要と考えられる。神経毒性物質であるキノリン酸の脳関門排出輸送に関わる分子の遺伝子をexpression cloningによって単離を試みた。その結果、2つの遺伝子を単離した。両遺伝子とも発現させたoocyteに標識キノリン酸は取り込まれ、過剰量の非標識キノリン酸によってその取り込みは抑制された。本分子が血液脳関門においてキノリン酸排出輸送に関わっている可能性が考えられる。
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