2006 Fiscal Year Annual Research Report
パスポートタンパク質・ゲートウェイタンパク質の機能を利用した薬物動態制御
Project/Area Number |
16390039
|
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
辻 彰 金沢大学, 自然科学研究科, 教授 (10019664)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 将夫 金沢大学, 自然科学研究科, 助教授 (30251440)
久保 義行 金沢大学, 自然科学研究科, 助手 (20377427)
|
Keywords | トランスポーター / 薬物動態 / 創薬 / プロテンアレイ / 膜裏打ちタンパク質 |
Research Abstract |
本研究は、薬物の各臓器細胞内動態に影響を与えるトランスポーター(パスポートタンパク質・ゲートウェイタンパク質)に焦点を当てて、その多様な薬物認識・輸送機構を臓器、細胞、分子、遺伝子レベルで解析し、トランスポーターの機能を利用した薬物体内動態制御と新規創薬戦略の樹立を目指す。 本年度は、パスポート・ゲートウェイタンパク質の分子認識機構を解析すること、機能・発現修飾機構の解析、ハイスループットスクリーニング系の開発を目指した。 分子認識機構を解析では、ペプチドトランスポーターであるPEPT1に注目し、これが示すセファレキシン取込み機能を解析した。その結果、PEPT1の光学異性体特異的加水分解機能が示唆された。これに関しては、現在、精製再構成系を用いて基質認識機構を最終的検証が可能であると期待される。また、機能・発現修飾機構の解析においては、トランスポーターの代表的膜裏打ちタンパク質であるPDZ-K1の変異体を用い輸送解析によって、PDZ-K1の遺伝的変異・多型が薬物トランスポーター・OCTN1、OCTN2、PEPT1の輸送機能に影響を及ぼすことが示された。 ハイスループットスクリーニング系の開発に関しては、アフリカツメガエル卵母細胞発現系を利用して、トランスポーター発現型卵母細胞の開発を行った。特に、機能・発現修飾機構の解析で得られた知見を元に、膜裏打ちタンパク質との共発現させることにより、より生理的に近いスクリーニング系として利用可能となった。現在、LC/MS/MS定量装置をこのシステムに組合わせることにより、さらなるハイスループット化を検討している。 本研究により、薬物トランスポーターの基質認識機構解明が大いに進展し、また、より生理的条件に近いスクリーニングシステムが構築された。これは、今後、創薬において有用なシステムとして利用可能であると期待される。
|
Research Products
(15 results)