2005 Fiscal Year Annual Research Report
脳内在性多機能神経毒によってもたらされるパーキンソニズム発症機構の解明
Project/Area Number |
16390041
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Research Institution | HIROSHIMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
太田 茂 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (60160503)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北村 繁幸 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教授 (40136057)
杉原 数美 広島大学, 医学部, 教務員 (20271067)
田代 朋子 青山学院大学, 理工学部, 教授 (50114541)
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Keywords | パーキンソン病 / 神経毒 / テトラヒドロイソキノリン類 / P糖タンパク質 / 遺伝子発現調節 |
Research Abstract |
著者等のグループはテトラヒドロイソキノリン(TIQ)類の神経毒が極めて多彩な機能を有していることを明らかにしつつある。本研究の第一の目的は、上記化合物を含めて現在までに著者らが見出しているパーキンソン病発症物質候補を用いて神経毒の機能解明を行うことである。 本年度の研究から、上記化合物の毒性発現を修飾する因子として、P糖蛋白などのトランスポーターの寄与を検討したところ、TIQ類は基質として認識され、P糖蛋白によって脳内から排泄されることを明らかとした。更にP糖蛋白を阻害してあるマウスにTIQ類を投与したところ、行動薬理学的に明らかにパーキンソニズム発症が促進された。次にTIQ類を投与する事によってP糖蛋白遺伝子に変動が起こるか否かの検討を行った。この結果、投与量や投与期間によって異なるが、ある程度まではP糖蛋白遺伝子の発現上昇がおこり補償的に働くが、それ以上の処置では減少する事が示唆された。このことからP糖蛋白の発現制御にはTIQ類が深く関わっていると思われる。これらの事をまとめるとヒトにおいてP糖蛋白の機能不全はパーキンソン病の増悪因子となり得ることが示唆された。
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Research Products
(2 results)