2005 Fiscal Year Annual Research Report
リンパ管が特異的に発現するタンパクとリンパ管新生・再生機構の解析
Project/Area Number |
16390047
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
大谷 修 富山大学, 医学部, 教授 (90127548)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大谷 裕子 富山大学, 医学部, 助手 (10313595)
松尾 光浩 富山大学, 医学部, 助手 (70361954)
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Keywords | リンパ管 / リンパ管内皮細胞 / リンパ管再生 / リンパ管新生 / コラーゲン線維網 / VEGFR-3 / Prox-1 / LYVE-1 |
Research Abstract |
1.ラットの胸管および乳糜槽から、リンパ管内皮細胞を採取し、窒素ガス・炭酸ガスインキュベータ中において低酸素下で培養した。免疫組織化学によりこの培養細胞がVEGFR-3、Prox-1、LYVE-1等を発現することを確認した。培養上清および培養細胞のホモジネートからタンパクを抽出し、ウェスタンブロットにより調べた結果、この培養細胞がVEGFR-3、LYVE-1等を発現していることが確認できた。さらに、リンパ管内皮細胞が特異的に発現する他のタンパクの解析を試みているところである。 2.ヒト胸管から生体時の構造を保持したコラーゲン線維網を調製し、その上でリンパ管内皮細胞を培養したところ急速に立体的なリンパ管網が形成された。この方法では、コラーゲンコートディッシュやコラーゲンゲル内で培養した場合に比べ、より早く立体的なリンパ管網が構築されることが明らかになった。この培養方法の改良を進めると共に、種々の組織由来のコラーゲン線維網や心膜シート等でリンパ管内皮細胞を培養し、リンパ管再生に最も適したリンパ管網を検討中である。 3.ラットの末梢血からCD34+細胞などを磁気ビーズにより分離、培養し、リンパ管内皮細胞への分化を誘導することを試みている。 4.リンパ管に特異的なマーカーLYVE-1を用いて、ラット横隔膜におけるリンパ管の形成過程を再検討し、内皮細胞が将来リンパ管の形成されるところに遊走して破線状に並び、やがてそれらが互いに接してリンパ管を形成することが明らかになった。
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