2004 Fiscal Year Annual Research Report
Wntシグナル系制御因子APC、ICATの細胞分化・形態形成への関与
Project/Area Number |
16390051
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
千田 隆夫 藤田保健衛生大学, 医学部, 教授 (10187875)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野村 隆士 藤田保健衛生大学, 医学部, 講師 (20325161)
長谷川 義美 藤田保健衛生大学, 医学部, 助手 (40288494)
下村 敦司 藤田保健衛生大学, 医学部, 助手 (50340237)
向後 晶子 藤田保健衛生大学, 医学部, 助手 (20340242)
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Keywords | Wntシグナル系 / APC / ICAT / 培養神経細胞 / AMPA受容体 / クラスタリング / 腎発生 / 尿管芽 |
Research Abstract |
1.PSD-95及びAMPA受容体の後シナプスへのクラスタリングへのAPCの関与 ラット海馬培養神経細胞を用いて、以下のことを明らかにした。 (1)APCとPSD-95は、後シナプスにおいて相互作用していた。 (2)APCとPSD-95の相互作用の阻害は、PSD-95及びAMPA受容体の後シナプスへのクラスタリングを抑制した。 (3)APCタンパク質の発現阻害は、PSD-95及びAMPA受容体の後シナプスへのクラスタリングを抑制した。 (4)APCとPSD-95の相互作用の阻害及びAPCの発現阻害は、AMPA受容体を介するシナプス伝達を抑制した。 (5)以上の結果から、APCがPSD-95及びAMPA受容体の後シナプスへのクラスタリングに関与していることが明らかになった。APCは中枢神経系において、興奮性シナプスの形成に関与していることが推測される。 2.培養神経細胞の分化過程におけるAPCの局在と特性 ラット海馬培養神経細胞の分化過程におけるAPCの局在を、免疫組織化学法によって検索した。 (1)葉状突起及び神経突起の先端部位に、APCは凝集した。 (2)この凝集は突起の伸長と相関があった。 (3)APCは神経突起内で微小管上に局在した。 (4)成長円錐において微小管伸長を調節するPKC&zetaの阻害剤により、APCの微小管上での局在は変化した。 (5)以上の結果から、APCは微小管の伸長制御に関わり、神経突起の伸長を調節している可能性が示唆された。 3.ICATノックアウトマウスにおける腎臓発生異常の検索 ICATノックアウトマウス(ICAT-/-)の13%で腎臓欠損(両側または片側)が認められ、その原因を解明した。 (1)E12.5、E13.5、E18.5の後腎長径のgenotype間での有意差はなかった。 (2)E12.5後腎では、ICAT(+/-)に比べてICAT(-/-)では、尿管芽の分岐が有意に少なかった。 (3)ICAT(+/-)に比べてICAT(-/-)の後腎では、間葉細胞のアポトーシスが多かった。 (4)以上の結果から、ICATノックアウトマウスの尿管芽細胞ではWnt系が亢進して尿管芽の分岐を抑制し、その結果、尿管芽からのシグナルを受容できなくなった後腎間葉細胞のアポトーシスが促進し、腎欠損に至る可能性が推測された。
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Research Products
(7 results)