2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16390064
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
遠藤 政夫 山形大学, 副学長 (40004668)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石井 邦明 山形大学, 医学部, 教授 (10184459)
西丸 和秀 山形大学, 医学部, 助手 (60361250)
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Keywords | マウス心室筋細胞 / イヌ心室筋細胞 / Ca^<2+>トランジェント / Ca^<2+>動員機構 / Ca^<2+>感受性 / エンドセリン / ノルエピネフリン / Na^+ / Ca^<2+>交換機構 |
Research Abstract |
心筋細胞収縮機能は、発達した調節系の制御により広範囲に変化し、心臓が血液循環ポンプとして広範な環境の変化に適応して即時に需要に見合った循環血液量を拍出することを可能にする。これらの調節系は心筋細胞固有の性質である内因性機構と神経・液性因子による外因性機構とから成り、Ca^<2+>が興奮-収縮連関(E-C coupling)の中心的な役割を演じている。Ca^<2+>による調節は、上流機構(細胞内Ca^<2+>動員調節)、中心機構(トロポニンCへのCa^<2+>結合)および下流機構(細い線維による調節とクロスブリッジ調節)に分けられ、調節と破綻はそれぞれの過程の選択的な修飾によって起こる。 本年度は最終年度に当たるので、研究成果を中心に種々の生理的調節因子によるE-C coupling修飾機構の特徴およびうっ血性心不全による調節破綻、強心薬の作用機序、新薬開発の方向性についてCa^<2+>を中心に総説として取りまとめた。実験はうっ血性心不全および虚血性心疾患をはじめとする種々の心疾患の際に血中に放出され、病態生理学的意義が注目されているendothelin-1(ET-1)による調節機構解明した。単離心筋細胞の短縮(収縮性)およびindo-1蛍光強度変化を指標としてマウスおよびイヌ心室筋細胞で実験した。イヌではET-1はnorepinephrine(NE)とのクロストークによりNEの濃度に依存して陽性または陰性変力作用を惹起し、その調節は多岐に渡るシグナル過程活性化の関与のもとに達成される。一方、マウスにおいてET-1は顕著な陰性変力作用を惹起し、これはET-1によるNa^+/Ca^<2+>交換機構の活性化を介して起こることが示された。マウスは大型哺乳類と比較して遺伝子操作が容易なため、ヒトの病態モデルとして最近ますます用いられているが、臓器の大きさや心拍数をはじめとする大型哺乳類との差違が結論に大きな影響を与える可能性があり今後の重要な研究課題である。
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Research Products
(3 results)