2004 Fiscal Year Annual Research Report
細胞極性形成における蛋白分子間相互作用の切り替え機構の解析
Project/Area Number |
16390073
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
畑 裕 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (80313237)
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Keywords | 上皮細胞間結合 / 神経シナプス / 細胞接着 / 細胞極性 |
Research Abstract |
多細胞生物を構成する細胞には、上皮細胞間結合や神経シナプス、あるいはラフトなどの細胞膜ドメインがある。細胞膜ドメインは、それぞれに特有の分子構成をもち、分子間相互作用の連鎖のうえに形成されている。私どもは、細胞間情報伝達に重要な役割を果たす神経シナプスと上皮細胞間結合の形成機序を分子レベルで解明することを目的としている。とくに、上皮細胞・神経細胞の極性が形成される過程で、複数の分子間相互作用がどのような順番で起こるかに関心をもっている。 I:神経シナプスの研究 NMDA型グルタミン酸受容体と接着分子neuroliginを裏打ちする蛋白質S-SCAMについて、S-SCAMがneuroliginのシナプスにおける集積に関わり、樹状突起スパインの形態変化を引き起こすことを明らかにした。引き続きS-SCAMが仲立ちする分子間相互作用について解析を進めている。 II:上皮細胞間結合の研究 昨年度までに、タイトジャンクションの裏打ち蛋白質MAGI-1に結合するイムノグロブリンスーパーファミリーに属する接着分子JAM4の解析を行ってきた。今年度は、MAGI-1が腎臓糸球体においてはスリット膜の裏打ち構造に集積することを明らかにし、さらに、その部分ではスリット膜の主要な構成分子nephrinと結合することを見出した。NephrinはJAM4と同じくイムノグロブリンスーパーファミリーに属する接着分子である。MAGI-1の6つのPDZ領域のうち、2番目と5番目にJAM4が、3番目と4番目にnephrinが結合するので、JAM4-MAGI-1の相互作用とnephrin-MAGI-1の相互作用は同時に起こりうることも確認した。
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Research Products
(4 results)