2005 Fiscal Year Annual Research Report
真核生物の細胞複製に伴うクロマチン構築と維持伝承機構
Project/Area Number |
16390085
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Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
柴原 慶一 国立遺伝学研究所, 総合遺伝研究系, 助教授 (20263098)
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Keywords | クロマチン / ヌクレオソーム / ヒストン / 細胞記憶 / CAF-1 / DDM1 |
Research Abstract |
細胞固有のクロマチン情報が、細胞複製過程を通じて維持される仕組み(クロマチン複製)の理解を目的とした研究課題である。 CAF-1は酵母からヒトに至る広汎な生物種で保存されたヒストン結合蛋白複合体で、複製DNAのヌクレオソームへの変換をin vitroにおいて促進する因子である。CAF-1のシロイヌナズナホモログ変異株(fas)の解析を行い、fas変異体で、染色体上の様々な領域に存在する遺伝子座のジーンサイレンシングの脱抑制が、低頻度かつ確率的に(stochastic)起こることを証明した。この結果は、CAF-1の機能が阻害されると、個体内の細胞増殖過程における遺伝子発現情報の安定的な維持が阻害されるという、我々が提唱しているモデル(Cell,2001)を支持するものであった(Ono et al.,2006,Genes Cells)。さらに、宮崎医大の中山教授らとともに、DT40ニワトリ細胞の系を用いて、CAF-1のコンディショナルノックアウト細胞の解析を行い、CAF-1が生細胞においても、DNA複製に伴うヌクレオソーム形成に関与することを示すとともに、CAF-1がDNA損傷修復経路或は、チェックポイント経路に関与する新たな知見を得つつある(Takami et al.,submitted)。 一方、DDM1はSWI/SNF型のATPase依存型のリモデリング因子で、この因子が欠損するArabidopsis或はマウス個体では、ゲノム全般に渡るDNAのメチル化の低下が観察される。我々は、このDDM1を介したDNAメチレ化維持機構を解明すべく、ヒトpre-B細胞Nalm6細胞において、ヒトDDM1の遺伝子欠損細胞株の樹立に成功し、DDM1の細胞レベルでの機能の解析系を立ち上げた。今後解析の進展が期待できる。
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Research Products
(4 results)