2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16390086
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
有賀 純 独立行政法人理化学研究所, 比較神経発生研究チーム, チームリーダー (10232076)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石黒 亮 独立行政法人理化学研究所, 比較神経発生研究チーム, 研究員 (70373264)
|
Keywords | Zic / zincフィンガー / 転写調節 / 蛋白質間相互作用 / 遺伝子発現調節 / 遺伝子ターゲッティング / 神経発生 / 細胞内局在 |
Research Abstract |
マウスZicファミリーのうち、いちばん強い転写活性化能を持つZic2蛋白質を選び、様々な欠失変異体を作製して転写活性化に必要なドメインのマッピングを行った。その結果、zincフィンガーよりN末端、N末側の進化的に保存された領域(ZOC)とC末側の3個のzincフィンガーモチーフが転写活性化に重要であることが明らかになった。このうち、Z末側の領域については結合蛋白質がいままでに報告されていないので、酵母2ハイブリッド法を用いて、結合蛋白質の探索を行った。 いくつかの候補結合蛋白質のうち、発現プロファイル、結合の再現性の観点から、I-mfa蛋白質を選び、解析を進めた。I-mfaはMyoDなどの筋発生に関わるbHLH型転写因子の機能抑制蛋白質として見いだされたC末側にシステインに富む領域を有する蛋白質である。結合ドメインのマッピングから、Zic2-I-mfaの蛋白質間結合はZic2のzincフィンガーよりN末側の領域とI-mfaのシステインに富む領域を介することが明らかになった。また、I-mfaとZic2を共発現させると、通常は核に局在するZic2蛋白質がI-mfaの存在する細胞質領域に位置するようになることが分かった。同時に共発現させたI-mfaはZic2による転写活性化を阻害することが明らかになった。これらの事実はI-mfaが蛋白質-蛋白質間相互作用により、Zic2蛋白質の機能抑制に働く可能性を示唆している。 マウス発生過程では両者の発現は椎骨などを形成する硬節で部分的に重なり、Zic2は内側領域でより強く、またI-mfaは外側領域でより強く発現する傾向がある。また、Zic2変異マウスでも、I-mfa変異マウスでも椎骨の形成異常が認められることから、両者の相互作用は椎骨の形態形成に関与するものと予想される。
|