2006 Fiscal Year Annual Research Report
シトリン欠損症の分子遺伝学と成人発症2型シトルリン血症発症に関わる遺伝要因の探索
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16390100
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
小林 圭子 鹿児島大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教授 (70108869)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐伯 武頼 徳島文理大学, 健康科学研究所, 教授 (10056070)
飯島 幹雄 鹿児島大学, 大学院医歯学総合研究科, 助手 (00305111)
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Keywords | citrin / SLC25A13 / 成人発症II型シトルリン血症(CTLN2) / 胆汁うっ滞性新生児肝炎(NICCD) / aspartate-glutamate carrier / NADH shuttle / malate-aspartate shuttle / glycerophosphate shuttle |
Research Abstract |
Citrin欠損症は、生後1歳までに胆汁うっ滞性新生児肝炎(NICCD)に罹患し、見かけ上健康な適応・代償期を過ごし、重篤な成人発症II型シトルリン血症(CTLN2)を引き起こす。Citrinの機能(肝臓型aspartate-glutamate carrier : AGC)から、多彩な病態発症と代償機構の考察が可能になったが、CTLN2発症に至る分子機構は未だ不明である。本研究は、数多く診断されてくるNICCD症例の将来を考えて、CTLN2発症の要因ならびに分子機構を明らかにし、治療・予防法の開発に役立てることである。 本年度の研究実績を列挙する。 (1)Citrin欠損症の診断と病態像の把握 SLC25A13遺伝子上に新規変異を同定し、遺伝子診断法を確立するとともに、Western blot法を用いたcitrin蛋白の有無を検索する新規診断法を開発した。新たに国内外のNICCD症例52例(日本人24例、中国人21例、韓国人6例、白人1例)ならびにCTLN2症例13例(日本人11例、韓国人2例)を見いだした。昨年度はじめて、NICCDとCTLN2の特徴と生化学的・分子遺伝学的診断基準をGeneReviews(Kobayashi & Saheki)[www.genetests.org]にまとめたが、本年度さらに内容の更新を行った。 (2)SLC25A13変異遺伝子の広範な頻度検索と人類遺伝学的解析 日本人CTLN2症例で数年前に明らかにした変異[XIX]は、比較的高い頻度で検出される(Tabata et al.論文作成中)ので、一般集団1300余名を検索した結果、1名の保因者を見いだした(日本の保因者頻度:1/69>1/65)。日本人症例のみならず、中国人症例や韓国人症例でも変異[XIX]を検出した(Liu et al. Inherit Metab Dis : ICIEM abstract,2006;Ko et al.論文投稿中)ので、今後保因者頻度検索が必要である。 (3)疾患発症の分子機構とそれに関わる遺伝的背景の解明 Citrin-KOマウスではヒト症状を示さず、double(citrin/mGPDH)-KOマウスでは高アンモニア血症、高シトルリン血症、成長障害、糖質毒性、低血糖などを示したことより、mGPDH遺伝子の発現レベルが病態発症に関わる重要な要因の1つであることが示唆された。
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Research Products
(17 results)