2005 Fiscal Year Annual Research Report
半導体ナノ粒子を用いた網羅的細胞情報解析システムの開発に関する研究
Project/Area Number |
16390107
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
佐々木 功典 山口大学, 医学部, 教授 (80116722)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河内 茂人 山口大学, 医学部, 講師 (80284511)
小賀 厚徳 山口大学, 医学部, 助手 (90243633)
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Keywords | 量子ドット / サイトミクス / 蛍光免疫染色 / サイトメトリー |
Research Abstract |
半導体ナノ粒子(Quantum dots、以下QD)は優れた光安定性、強い蛍光強度といったユニークな特徴を有しており、医学、生物学分野での応用をめざした研究が進んでいる。中でも粒子径を変化させることによって単一の励起波長で多種類の蛍光波長を発する性質は一度に観察可能となる細胞内物質の種類を飛躍的に増加させると予想される。そこで、我々は本研究においてQDを用いた細胞内物質検出法の確立を目指して検討を重ねてきた。 まず、QDによる蛍光免疫染色であるが、細胞質内、核内の様々の物質に関して検討を行ってきた。対象物質によって従来の蛍光免疫染色法とほぼ同様の方法で良好な蛍光像が得られるものもあれば、マイクロウェーブや界面活性剤などによる処理が必要なものもあった。したがって、多重染色を行うには現状では固定、染色条件が同じであるもののみが可能であり、実用的なQDを用いた多種類細胞内物質に対する蛍光免疫染色法についてはさらに検討が必要である。 QD蛍光の定量性に関する検討を、proliferation cell nuclear antigen (PCNA)やサイクリンB1を対象として行った。PCNAに関しては既存色素であるAlexa 488とほぼ同様の結果をレーザースキャニングサイトメーター(LSC)で測定し、得ることが出来た。サイクリンB1については蛍光顕微鏡の観察ではAlexa 488と同様に染色されているように見えたが、LSCでもフローサイトメーターでも測定が困難であった。原因としては蛍光免疫染色が不十分であることと同時に機器側の問題(現有のフローサイトメーターでは至適波長の励起光が得られない、検出フィルターが最適化されていないなど)も考えられた。しかしながらこれらの課題を解決できれば、QDを用いた多重染色においてもサイトメーターで定量が可能であることが示唆されると考えている。
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