2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16390110
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
長村 義之 東海大学, 医学部, 教授 (10100992)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梅村 しのぶ 東海大学, 医学部, 助教授 (20276794)
竹腰 進 東海大学, 医学部, 助教授 (70216878)
梶原 博 東海大学, 医学部, 助手 (20317754)
木村 穣 東海大学, 医学部, 教授 (10146706)
井上 金治 埼玉大学, 理学部, 教授 (50091963)
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Keywords | 下垂体 / 下垂体腺腫 / αサブユニット / 転写因子 |
Research Abstract |
我々のこれまでの研究において、ヒトGH産生下垂体腺腫(GHoma)および非機能性腺腫(NFoma)の多くはαSUに陽性であることが明らかとなった。しかし、αSUがGHomaおよびNFomaに存在する意義については、有力な証拠は得られていない。本研究では、下垂体腺腫の発生および分化におけるαSUの役割を明らかにすることを目的としている。本年度は、まずNFomaにおけるαSUおよび関連する因子群(Lhx3,Lhx4,Hesx1/Rpx,Ptx1,Ptx2,Prop-1,Pit-1,GATA-2,SF-1,NeurD1,Tpit,EGR,GHRH-R,GnRH-R等)の発現をより詳細に解析した。これまでに採取されたヒトNFomaの網羅的解析の結果、Hesx1/Rpx、Tpit、Prop-1、EGRとの関連が示唆されたHesx1/Rpxは下垂体の初期発生において細胞の増殖を促進し、Prop-1はHesx1/Rpxn作用に拮抗する。Tpitは、下垂体発生の極めて早い時期にACTH産生細胞の分化を誘導する。更にEGRはαSUの発現を促進し、LH/FSH産生細胞の分化に関与することが知られている。ヒトNFomaにおいて、TpitはαSUおよびEGRの発現を、Hesx1/RpxはαSUの発現を抑制することが明らかとなった。また、Prop-1はこれら転写因子に拮抗する作用を持つものの、Hesx1/RpxおよびTpitの存在下では、EGRの発現のみ亢進することが明らかとなった。 これらの結果より、下垂体腺腫におけるαSUの発現は、胎生期の下垂体の発生・分化におけるメカニズムと同様の機序によって調整されていることが示唆された。 次年度以降、更に下垂体腺腫におけるαSU発現機序の解明を進めると共に、遺伝子工学的手法を用いて、下垂体腺腫の発生・分化におけるαSUの役割を明らかにしていく計画である。
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Research Products
(6 results)