2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16390110
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
長村 義之 東海大学, 医学部, 教授 (10100992)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梅村 しのぶ 東海大学, 医学部, 助教授 (20276794)
竹腰 進 東海大学, 医学部, 助教授 (70216878)
梶原 博 東海大学, 医学部, 講師 (20317754)
井上 金治 埼玉大学, 理学部, 教授 (50091963)
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Keywords | 下垂体 / 下垂体腺腫 / 下垂体前葉ホルモン / 転写因子 / Pit1 / PTTG / CDKインヒビター / サンドスタチンレセプター |
Research Abstract |
本研究は、下垂体腺腫の発生機構ならびに、腫瘍細胞の分化機構の解明を目的としており、有効な内科的治療の選択肢が少ない下垂体腺腫において、新たな標的因子探索に繋がることも、期待される。 本年度は、昨年に引き続き、下垂体の発生・分化に関与する転写因子、その中でも特に、成長ホルモン(GH)産生細胞、プロラクチン(PRL)産生細胞および甲状腺刺激ホルモン(TSH)産生細胞の分化を制御するPit1に着目し、下垂体腺腫細胞の分化への関与について詳細に検討した。Pit1遺伝子を種々の下垂体腺腫細胞株に導入したところ、全ての細胞株においてGH mRNAの発現が検出された。また、RNAiによりPit1遺伝子の発現をKnock downしたところ、GHの発現も低下し、つまり、GHの発現はPit1に依存していることが明らかとなった。TSHβの発現は、転写因子GATA2を発現している細胞株においてのみ、Pit1遺伝子導入により誘導された。従って、TSHβの発現には、Pit1とGATA2の共役作用が必須である、ということが示された。PRLの発現には、一般にPit1とEstrogen Receptor(ER)の共役が必要であるといわれているが、ERを発現している細胞株におけるPit1導入が必ずしも、PRLの発現を誘導しなかったことから、その他の分化機構の存在が示唆された。 本年度は新たに、腫瘍抑制因子であるPTTG(Pituitary Tumor Transforming Gene)やCDK inhibitor(p18、p21、p27など)の正常下垂体および下垂体腺腫における発現解析を行い、その知見をもとに今後モデル動物(PTTG TG mouse、p27 KO mouseなど)の解析を進める予定である。 また、下垂体腺腫の内科的標的因子の有力候補と目される、サンドスタチンレセプターの発現解析も、非機能性腺腫を中心に進めている。
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Research Products
(15 results)