2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16390114
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Toyama Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
笹原 正清 富山医科薬科大学, 医学部, 教授 (20154015)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤森 俊彦 京都大学, 大学院・医学研究科, 助手 (80301274)
尾矢 剛志 富山医科薬科大学, 医学部, 助手 (00343179)
石井 陽子 富山医科薬科大学, 医学部, 助手 (00361949)
堀 悦郎 富山医科薬科大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (90313600)
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Keywords | 血小板由来増殖因子 / 受容体 / knockout / conditional / 脳 / 線維芽細胞 / Akt / MAP kinase |
Research Abstract |
血小板由来増殖因子(PDGF)および受容体(PDGFR)は、脳に豊富に発現するが、PDGFのknockout mouseは周産期に致死的であり、生体における機能解明がなされていない。 本年は、PDGF-B投与または、antisense oligonucleotides投与による発現抑制実験により、PDGF-Bが発達脳におけるNMDA受容体の生理的制御因子として重要である事を見いだし、報告した。 さらに、生後におけるPDGFの機能解析が可能なconditional knockout modelを作製した。PDGF-β受容体(PDGFR-β)genome上にCre recombinaseにより認識されるlox P配列を二カ所に挿入した(floxed)遺伝子改変マウスを樹立した。同マウスは生殖年齢まで生存し、外見上の異常は全く見られない。同系マウスでfloxed PDGFR-β alleleをhomologousに有する個体より、皮膚線維芽細胞を分離培養した。同細胞へのCre recombinase発現誘導により、PDGFR-α発現は変化がみられず、PDGFR-β発現のみが選択的に消失した。これらの細胞ではPDGF-B刺激後の細胞増殖や遊走の抑制と、apoptosis抑制の低下がみられる。また、Akt, MAP kinase活性化の低下がある。PDGFR-β発現と下流の細胞内シグナル伝達を選択的に抑制し、その機能解析に有用なモデルであることを示し報告した。さらに、上記個体をNestin promoterによりCre発現が誘導されるtransgenic mouseと交配することにより、脳におけるPDGFR-β発現がほぼ完全に抑制されるが、他の臓器での発現は保たれる個体を得た。これらは、外見上、正常にみえる個体に成熟した。今後、形態あるいは行動解析を行う予定である。
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Research Products
(5 results)