2005 Fiscal Year Annual Research Report
時間軸から見た生体内における血管新生プロセスの高次機能解析
Project/Area Number |
16390118
|
Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
米満 吉和 九州大学, 大学院・医学研究院, 助教授 (40315065)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
居石 克夫 九州大学, 大学院・医学研究院, 教授 (70108710)
中川 和憲 九州大学, 大学院・医学研究院, 講師 (50217668)
|
Keywords | 血管新生 / 組換えセンダイウイルス / リンパ管新生 / FGF-2 / PDGF / MCP-1 / PKC |
Research Abstract |
本研究では、種々の刺激に呼応する血管新生過程においてダイナミックに反応する各種血管新生因子群ならびに血管内皮細胞・周皮細胞・その他の間葉系細胞の相互作用を検討することにより、生体内における生理的・病的血管新生の本態に迫ることを目的とする。 本年度の研究成果として、 (1)ヒト冠状動脈硬化巣では、リンパ管新生因子VEGF-Cの発現を認めるものの、リンパ管新生の頻度は極めて低い(Hum Pathol 2005)、 (2)ヒト冠状動脈硬化巣では血管新生抑制因子PEDFがパッチ状に沈著し、近接した部分の血管新生数は有意に少ない(Arterioscler Thromb Vasc Biol 2005)、 (3)主たる血管新生因子VEGF、HGFの持続発現システムとして間葉系細胞におけるPDGFRα/p70S6K系が重要であることを昨年明らかにしたが、これは悪性腫瘍のangiogenic switchとしても重要である(Cancer Res 2005)、 (4)糖尿病マウス重症虚血肢において各種血管新生因子の発現と刺激による発現誘導システムは維持されているが、PDGF-BBの発現のみが低下していること、これはPKCの慢性的活性化に依存している(Circ Res 2006)、 (5)FGF-2過剰発現はVEGF-Cの発現を増強し、リンパ管新生を促進すると共に、誘導されたVEGF-CはPDGF-Bの発現を増強し、新生毛細血管の構築に関与する(投稿中)、 (6)FGF-2依存性血管新生の血流再開作用に炎症性ケモカインMCP-1が重要であり、間葉系細胞においてPKC、NF-κB系により制御されている(投稿中)、 ことを証明した。 このように各種病態において血管新生とリンパ管新生は不可分の現象、かつ病勢を決定する重要な生理システムであること、さらにそのプロセスにおいて間葉系細胞が必須かつ多彩な機能を持つことが明らかになった。
|
Research Products
(20 results)