2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16390120
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
奥村 康 順天堂大学, 医学部, 教授 (50009700)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
八木田 秀雄 順天堂大学, 医学部, 助教授 (30182306)
江端 智彦 順天堂大学, 医学部, 助手 (30343487)
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Keywords | TWEAK / Fn14 / IκBα / IL-8 / GM-CSF / RANTES / 血管新生 / 炎症 |
Research Abstract |
腫瘍血管新生には単に癌細胞と血管内皮細胞の反応のみならず、癌細胞に反応した周囲の正常組織細胞や線維芽細胞、浸潤マクロファージなどから産生されるVEGFやbFGFなどの増殖因子の局所での発現の亢進が重要であると考えられている。最近、我々はTNFファミリーに属するTNF-like weak inducer of apoptosis(TWEAK)が、そのレセプターであるFn14を介して血管内皮細胞に細胞増殖を誘導するのみならず、接着分子や炎症性サイトカインの発現を誘導することを見出した。これらの研究結果から、TWEAKはFn14を介して炎症および発癌時の血管新生を直接的に誘導する可能性が考えられる。一方、これまでの研究によりVEGFはTNFαなどの炎症性サイトカインによってもNF-κB依存性に発現が誘導されることが明らかとなっている。TWEAKが他のTNFファミリー分子と同様にNF-κBの活性化をもたらすことを考慮すると、TWEAKはVEGFの発現上昇を介して血管新生を担う可能性もある。そこで、未だ明らかとなってないTWEAKの腫瘍血管新生における役割を明らかにすることを目的として研究を行った。本年度の研究により、TWEAKがFn14を介してヒト気管支上皮細胞のIκBαをリン酸化し、その結果IL-8とGM-CSFの産生を誘導することを見出した。また、TGF-βと協調的にTWEAKはFn14を発現するヒトケラチノサイトのIκBαをリン酸化し、その結果RANTESの産生を誘導することを見出した。IL-8、GM-CSF、およびRANTESは炎症および血管新生との密接な関係が報告されている分子である。これらの結果は、TWEAK-Fn14が炎症および発癌時の血管新生に間接的にも関与する可能性を示唆している。
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