2005 Fiscal Year Annual Research Report
抗リン脂質抗体症候群の新しい分子病態解明と治療への展開
Project/Area Number |
16390123
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Research Institution | Research Institute, Osaka Medical Center for Maternal and Child Health |
Principal Investigator |
和田 芳直 地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪府立母子保健総合医療センター(研究所), 代謝部門, 部長 (00250340)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 織江 地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪府立母子保健総合医療センター(研究所), 代謝部門, 流動研究員 (40399613)
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Keywords | 抗リン脂質抗体 / β2グリコプロテインI / 胎盤 / 補体 / 細胞外マトリックス / マトリックスメタロプロテアーゼ |
Research Abstract |
抗リン脂質抗体による血栓形成において、凝固活性化の前に補体活性化が起こることは、我々が当初の研究申請書に書いた仮説の通りであることが、海外の研究者によって報告され、ほぼコンセンサスを得ている。一方、特にわが国において長らく研究が集中してきた検査抗原であるβ2グリコプロテインI(β2GPI)はほとんど研究対象からはずれてしまっている。我々は以前は反対にβ2GPIからは距離を置いたアプローチをとってきたが、ウサギ血球を用いた溶血実験によってβ2GPI自体に溶血活性のあることが判明し、それはホモロガスな構造を有する補体制御分子との競合によるものと考えられた。今後、補体制御を中心にしたトランスレーショナルリサーチに向かわねばならないが、その方向性の手がかりを与える知見である。 また、着床期の細胞外マトリックス(ECM)構築変化機構についてマウスを用いた研究を進めているが、MMP9の着床期前の活性上昇は、精漿に誘導された白血球によってもたらされることを免疫組織化学、精管結紮雄マウス、精嚢切除雄マウス、RB6-8C5抗顆粒球抗体を用いた白血球減少雌マウスなどを用いて明らかにした論文を発表した。さらに、脱落膜化におけるマウスcytotoxic T lymphocyte associated protein-2α(CTLA-2α)に着目して、その発現制御を観察するうち、脱落膜化の引き金として生理活性物質は必ずしも必要が無く、物理的な刺激で十分であることを、ガラスビーズを用いた実験によって発見した。
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Research Products
(2 results)