2006 Fiscal Year Annual Research Report
抗リン脂質抗体症候群の新しい分子病態解明と治療への展開
Project/Area Number |
16390123
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Research Institution | Osaka Medical Center and Research Institute for Maternal and Child Health |
Principal Investigator |
和田 芳直 地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪府立母子保健総合医療センター(研究所), 代謝部門, 所長兼部長 (00250340)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渋川 幸直 地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪府立母子保健総合医療センター(研究所), 代謝部門, 研究員 (90393264)
中村 織江 地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪府立母子保健総合医療センター(研究所), 代謝部門, 流動研究員 (40399613)
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Keywords | 抗リン脂質抗体 / 着床 / 胎盤 / 細胞融合 |
Research Abstract |
補体を中心とする解析を離れ、妊娠初期における抗リン脂質抗体の病態形成機構を探るため、トロホブラスト細胞融合過程に関する分子群の探索を次のように行った。まず、絨毛癌細胞株BeWoに対してフォルスコリンで細胞融合刺激を行った。その際、異なる蛍光タンパクを発現させた二種類の細胞間で細胞融合を誘導することで融合細胞を正確かつ容易に区別できるようにした。また、BeWo細胞と293細胞の共培養を行うことで多核体の誘導効率を上昇させた。BeWoについて、細胞融合前後において、細胞内小器官を分画し、それぞれ二次元電気泳動を行い、多核体誘導に伴って発現変化および翻訳後修飾を受ける複数の候補分子をペプチドマスフィンガープリントによって同定した。うら、グリセルアルデヒド三リン酸脱水素酵素GAPDHをRNAiをもちいて発現抑制したところ多核体形成が促進した。現在、多核体形成に伴って起こるGAPDHの翻訳後修飾について解析中である。 一方、着床の分子機構を探るために子宮内膜細胞に発現し着床に関わる分子の探索を次のように行った。まず、子宮内膜上皮細胞の分離方法を確立した上で、着床遅延マウスを卵巣切除/P4補充によって作成した。もっとも顕著な発現変化を見ることができると予想されるD5のE2投与後16時間後に採取した試料と精嚢切除オスと交尾させた受容期前試料から、それぞれ内膜上皮を採取し二次元電気泳動を行い、発現変化する候補分子をペプチドマスフィンガープリントにより同定した。エストロゲンによってドライブされてこの時期に発現上昇することが知られている分子immune responsive protein 1やleukocyte-type 12 lipoxygenaseの他に、複数の分子を得ることができたので、その発現局在や発現調節機構について今後進める。
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Research Products
(4 results)