2004 Fiscal Year Annual Research Report
緑膿菌のefflux、invasion、quorum sensingの相互関係
Project/Area Number |
16390132
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
平潟 洋一 長崎大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (50238341)
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Keywords | 緑膿菌 / 薬剤排出システム / 組織侵入性 / quorum sensing |
Research Abstract |
緑膿菌の多剤耐性のメカニズムのひとつである薬剤排出システム(effluxシステム)、組織侵入性(invasion)、病原遺伝子の発現の制御機構であるquorum sensingの相互関係について研究を行った。緑膿菌quorum sensing変異株であるPAO1 lasI欠損株、rhlI欠損株の組織侵入性を、MDCK(Madin-Darby canine kidney)細胞モノレイヤーシステムを用いたpenetration assayにて比較検討した。また薬剤排出システム変異株であるmexAB-oprM欠損株の組織侵入性の低下にquorum sensing機構が関与しているか否かについて、合成homoserine lactone(HSL)の添加の組織侵入性に及ぼす影響を比較することで検討を行った。PAO1WTは感染後3時間以内にMDCK細胞モノレイヤーを通過したのに対し、lasI欠損株、rhlI欠損株ではWTと比較しmexAB-oprM欠損株ほどではなかったものの組織侵入性が有意に低下していた。またlasI欠損株にC_<12>-HSLを、rhlI欠損株にC_4-HSLを加えると組織侵入性は回復傾向を示し、とくにrhlI欠損株にC_4-HSLを加えた場合は有意な回復を認めた。しかしmexAB-oprM欠損株にC_<12>-HSL、C_4-HSLを加えても組織侵入性の回復傾向は認めなかった。以上からquorum sensing機構は部分的に緑膿菌の組織侵入性に影響を与えるものの、mexAB-oprM欠損株の組織侵入性低下には、別の因子がより強く関与していると考えられた。現在以上のデータを英文原著として専門誌に投稿中である。
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