2004 Fiscal Year Annual Research Report
単純ヘルペスウイルス粒子の成熟と軸索内輸送に関わるウイルス遺伝子の同定と機能解析
Project/Area Number |
16390133
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
西山 幸廣 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (60115615)
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Keywords | 単純ヘルペスウイルス / ウイルス増殖機構 / ウイルス粒子の成熟 / UL56 / UL51 / UL11 |
Research Abstract |
1.HSV感染におけるNuMAの挙動について検討した。HSV感染によりNuMAの分子量は漸次的上昇し、分解産物を思われるバンド(160kDa)が感染後9時間から検出され始めた。2本のバンドは感染後時間の経過に伴い検出強度が増強、間接蛍光抗体法を用いた場合にも、蛍光強度の漸増が見られた。我々が見出したNuMAの動態の変化はHSV感染に特異的な現象であり、ウイルスの増殖に対して何らかの役割構造維持に寄与していると考えられていることから、ウイルス粒子の格外への放出を有利にするように変化している可能性がある。 2.HSV UL11蛋白質はウイルス粒子の放出過程に重要であることが知られている。これまでに我々は単純ヘルペスウイルス(HSV)UL56タンパク質がラフトに存在するC末端アンカー型膜タンパク質であること、ニューロン特異的なキネシンの一つであるKIFIAと相互作用していることを明らかにしてきた。一方、UL11はウイルス粒子の成熟、放出過程に重要な働きをしていることが知られている。本研究ではUL11とUL56の相互作用について検討した。その結果、UL56とUL11が同一のタンパク質複合体中に存在していることがわかった。UL56とKinesinの相互作用を考えると、神経細胞でのegressに関わっている可能性が考えられる。 3.HSV-1 UL51遺伝子は、全てのヘルペスウイルス属にそのホモローグが保存されているcone geneの一つであり、HSV増殖にとって重要な役割をもつと予想される。新たに改良したBAC systemを用いてUL51欠損変異株を作製し、その性状について検討した。電子顕微鏡観察により、extracellularおよびintracellularの成熟ウイルス粒子数が激減する事が確認されたが、核内のnucleocapsidの形態や数については野生株と同様であった。HSV-1 UL51遺伝子産物はウイルス粒子成熟過程において重要な役割を担っていることが示された。
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Research Products
(30 results)