2004 Fiscal Year Annual Research Report
ウイルス潜伏感染遺伝子による感染動態制御と宿主遺伝子発現動態制御の解析
Project/Area Number |
16390136
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
上田 啓次 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (00221797)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山西 弘一 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (10029811)
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Keywords | γヘルペスウイルス / カポジ肉腫関連ヘルペスウイルス / 潜伏感染 / ヘテロクロマチン因子 / Suv39H1 / LANA / 末端反復配列 / PARP1 |
Research Abstract |
γヘルペスウイルスの一つであるカポジ肉腫関連ヘルペスウイルス(KSHV)について、特に転写制御や複製制御について研究を進めた。KSHVは特にhuman immunodeficiency virus (HIV)感染に伴う免疫不全症(AIDS)に伴いカポジ肉腫やprimary effusion lymphoma (PEL)の発症に関わるDNA腫瘍ウイルスの一つであると考えられ、宿主の免疫機能や細胞死を制御する遺伝子機能を攪乱する多くのcellular homologueをコードしている。そしてウイルスの維持や増幅はウイルス伝播とそれに基づく種々の病態発症に強く関わるため、この機構を解析・理解することは重要な課題である。 潜伏感染の機構に関し、LANAがヘテロクロマチン化に関る宿主因子Suv39H1を相互作用し、ウイルスゲノムをヘテロクロマチン化することを示した。これは潜伏感染状態におけるウイルス遺伝子発現抑制維持機構をよく説明している。 また宿主因子PARP1がTRに結合し、近傍に結合しているLANAがADP-リボシル化されることによって潜伏感染細胞内でのウイルスゲノムコピー数が調節されていることを示した。また宿主の複製因子であるORCなどはLANA依存性にTRに集合することを示した。このプロセスが潜伏感染時の細胞周期依存性のウイルスゲノム複製を遂行させるものと考えられる。 ORF57が宿主因子PCBP1と相互作用することを明らかにした。PCBP1はinternal ribosomal enrty site (IRES)に結合することが報告されているが、ORF57はPCBP1と共同して宿主遺伝子XIAPなどのIRESに作用しこれを活性化することを示した。
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Research Products
(3 results)