2005 Fiscal Year Annual Research Report
免疫・造血系細胞の発生・分化・機能発現におけるホスファチジルセリン受容体の役割
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16390144
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Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
福井 宣規 九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (60243961)
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Keywords | DOCK180 / ノックダウンマウス / ホスファチジルセリン受容体 / アポトーシス細胞の貪食 / mouse embryonic fibroblast |
Research Abstract |
アポトーシスは不要な、あるいは傷害を受けた細胞を取り除くための基本的な生体反応である。このため多細胞生物体では毎日多くの細胞がアポトーシスに陥るが、これらの細胞はマクロファージによって迅速に処理されることで、生体の恒常性が維持されている。マクロファージによるアポトーシス細胞の処理は、アポトーシス細胞の認識、取り込み、DNA分解の3つのステップにより構成される。これまでにアポトーシス細胞の認識・取り込みには、多くの分子の関与が報告されている。ホスファチジルセリン受容体(PRS)もその1つであり、アポトーシス細胞に特有な細胞表面上に露出したホスファチジルセリンを認識する分子として同定された。しかしながらPSRの生理的機能は依然として不明である。また、PSR刺激はDOCK180を介して低分子量GTP結合蛋白質Racを活性化することでアポトーシス細胞の取り込みを惹起すると考えられているが、このシグナル伝達の分子レベルでの理解はなされていない。本研究は、マクロファージのアポトーシス細胞処理におけるPSR-DOCK180シグナル伝達系の関与をin vivoで明らかにすると共に、その免疫・造血系細胞の発生、分化、機能発現における生理的意義を解明することを目的としている。本年度は、DOCK180ノックダウンマウスの作製を行い、これらのマウスが胸腔内臓器を中心に種々の異常を呈し、胎生後期に死亡することを見いだすと同時に、これらのマウスよりMEF(mouse embryonic fibroblast)を樹立し、シグナル伝達や機能におけるDOCK180の役割を検討した。また、PSRが転写因子として機能する可能性が指摘されていることから、胎児肝臓由来のマクロファージを野生型マウスおよびPSR欠損マウスより単離し、マイクロアレイを用いて両者の間で発現に差のある遺伝子を同定した。
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Research Products
(3 results)