2006 Fiscal Year Annual Research Report
MCTが関与する筋細胞内乳酸濃度調節と薬物由来横紋筋融解症発現機序との関連性
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16390155
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
井関 健 北海道大学, 大学院薬学研究院, 教授 (40203062)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平野 剛 北海道大学病院, 講師 (00322826)
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Keywords | MCT4 / 乳酸 / スタチン系薬物 / 横紋筋融解症 / トランスポート / アポトーシス / 細胞内酸性化 / 相互作用 |
Research Abstract |
MCT (monocarboxylate transporter)は、乳酸産生が顕著な臓器である骨格筋において細胞内外の乳酸の出入りを調節しているが、どのMCTアイソフォームが関与しているかの詳細は明らかではない。そこで我々は、骨格筋細胞において乳酸輸送に関与するMCTアイソフォームを明らかにすることを試みた。その結果、骨格筋細胞における乳酸取り込みにはMCT1、排出にはMCT4が関与することが明らかになった。一方、モノカルボン酸構造を有するスタチン系薬物の重篤な副作用として横紋筋融解症が報告されているが、詳細な発症機序は不明である。そこで本研究ではMCTを介した乳酸輸送と細胞内酸性化の関係およびスタチン系薬物との相互作用に着目して種々検討を行った。乳酸はpKa3.86の酸性物質であり、過剰に蓄積すると細胞内酸性化を引き起こし、アポトーシスを誘導することが報告されている。前年度までの結果よりスタチン系薬物による骨格筋細胞障害には細胞内酸性化を伴うアポトーシスが関与しており、その機序としてスタチン系薬物が筋細胞からの乳酸排出を担うMCT4を阻害することにより筋細胞内の乳酸蓄積を惹起することが示された。一方で、スタチン系薬物による横紋筋融解症を回避する方法として、乳酸蓄積を抑制する手法を考案した。乳酸アシドーシスの治療薬であり、細胞内pHをアルカリ化する炭酸水素ナトリウムをスタチン系薬物と併用するとスタチン系薬物の細胞障害は抑制されることが示された。さらに乳酸消費を促進するクエン酸をスタチン系薬物と併用させてもその細胞障害性は抑制されることが示された。またこれらの障害抑制物質がスタチン系薬物の主作用であるコレステロール低下効果には影響を与えないことを確認した。 現在、in vivoにおいてこれらの障害抑制物質の影響を確認することを目的に種々検討を行っている。
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Research Products
(1 results)