2004 Fiscal Year Annual Research Report
低栄養小児における感染性下痢症に対する難消化性オリゴ糖の予防効果に関する研究
Project/Area Number |
16390184
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Research Institution | Siebold University of Nagasaki |
Principal Investigator |
奥 恒行 県立長崎シーボルト大学, 看護栄養学部, 教授 (50010096)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
四童了 好廣 県立長崎シーボルト大学, 看護栄養学部, 教授 (00111518)
門司 和彦 長崎大学, 熱帯医学研究所, 教授 (80166321)
中村 禎子 県立長崎シーボルト大学, 看護栄養学部, 助手 (60382438)
|
Keywords | 難消化性オリゴ糖 / フラクトオリゴ糖 / 感染性下痢症 / バングラデッシュ / プレバイオティクス / 低栄養児 |
Research Abstract |
Bangladeshにおける感染性下痢症の低栄養児に難消化性オリゴ糖を摂取させ、成長、発育、下痢症の程度などに及ぼす影響を調査・研究する計画を立て、International Center of Diarrhea Disease Research, Bangladesh (ICDDR,B)と共同研究を進めるべく交渉をしていたところ、7月に交渉が成立した。このために、平成16年度は急遽当初の予定を変更してBangladeshにおけるフィールド調査を実施することにした。ICDDR,Bの共同研究者はDr.Saker S, Dr.Wahed, Dr.Wagatsuma Yの3人である。調査地域はBangladeshのスラム街Mirpur地区で、ICDDR,Bのフィールドの一部である。2-4歳児150人を2群に分け、1群75人はプラセボ(ブドウ糖2g)群で、他の1群75人はフラクトオリゴ糖2g投与群とした。これらの糖質をORS(50mL)に添加した飲料を、フィールドワーカーが毎日対象家庭を訪問して対象児に直接摂取させ、下痢の状態、食事摂取状況、体調などを問診させた。体重は2日に1回測定し、身長は1ヶ月に1回測定している。11月下旬から開始し、調査期間は3ヶ月間の予定であった。しかし、調査2ヵ月半後の体重など2群間には僅かの差異しか観察されず、有意差を生じるまでに至らなかった。このため、さらに調査期間を3ヶ月間延長することとして現在調査を継続しているところである。調査はフィールドの専門家の元に実施しているので、被験者管理、子どもの健康状態の把握、サンプルの調製、データの収集および管理など極めて順調に進んでいる。本調査は6月上旬に調査は終了する予定であるので、すべてのデータ解析はそれ以降になる。プラセボ群と試験群の割り振りは、調査地域の責任者しか把握していないので、現段階でデータ解析をすることはできない。平成17年度には結果が報告できるものと考えている。 一方、感染性下痢症に対する難消化性オリゴ糖のprebiotic効果の作用機序を明らかにするために、ラットへ難消化性オリゴ糖を添加した飼料を与えて4週間飼育し、生体防御機能に及ぼす影響、特に消化管免疫に焦点を当てて観察した。その結果、生体防御機構に及ぼす影響は腸内細菌を介してもたらされることが示唆されたので、腸内細菌の新しい同定法を検討しているところである。
|
Research Products
(3 results)