2006 Fiscal Year Annual Research Report
ラオス国における肺吸虫症の診断および空間疫学的研究
Project/Area Number |
16390188
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Research Institution | Research Institute, International Medical Centre of Japan |
Principal Investigator |
中村 哲 国立国際医療センター(研究所), 室長 (40207874)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
千種 雄一 独協医科大学, 医学部, 助教授 (20171936)
波辺 重久 福岡大学, 医学部, 講師 (70037430)
三好 美紀 独立法人国立栄養研究所, 特別研究員 (30361463)
二瓶 直子 国立感染症研究所, 客員研究員 (70425677)
鈴木 琴子 国立大学法人東京学芸大学, 教育学部, 講師 (90320051)
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Keywords | 感染症 / 社会医学 / 寄生虫 / 応用動物学 / 生態学 / 地理情報システム |
Research Abstract |
本年度は実験動物を用いた感染実験を主とし、2006年4月および12月、2007年2月にラオス現地において肺吸虫患者および中間宿主(カニ)についての補完調査を実施した。また、10月にはラオスの若手研究者を招聰し、実施機関で肺吸虫症の遺伝子および免疫診断技術研修を行った。 補完調査では現地研究者と共に南部アタプー県およびチャンパサック県、中部サバナケット県内、北部ルアンナムター県内の8郡を新たに肺吸虫症感染者の存在、または存在が強く示唆される地域として特定した。しかし、これらの地域の一部で採取したカニ(Esanthelphusa naniやPotamiscus sp.)からはまだ被嚢幼虫を検出していない。一方、本研究で明らにした4種の肺吸虫の濃厚侵淫地であるビエンチャン県Hinheup郡内の15km四方の範囲にある3か村で採取したカニ(Patamon lipkeiやChulathelphusa brandti)の分析結果、各肺吸虫種の寄生割合が、地域により極めて変化に富むことが判明した。 イヌ、ネコ、ラット、を用いた感染実験の結果にっいては、Hinheupのカニから比較的多く回収されるハリナスタ肺吸虫(P.harinastai)に関して、これまで宿主として知られていなかったラット体内では3ヶ月ほどで死滅すること初めて明らかにした。バンコク肺吸虫(P.bankokuensis)ではイヌからの回収率が高い(80%)ことを確認している。現在、得られた他種、特に広ロ肺吸虫(P.heterotremus)においてサルを含めた実験動物の感受性の検定を進めており、今後ラオスを含めたインドシナ地域のヒト肺吸虫症の特性を解明することが期待される。
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Research Products
(5 results)