2004 Fiscal Year Annual Research Report
ABO式血液型発現に関連する糖転移酵素の統合的な作用の解析
Project/Area Number |
16390192
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Toyama Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
滝澤 久夫 富山医科薬科大学, 医学部, 教授 (90171579)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
畑 由紀子 富山医科薬科大学, 医学部, 教務職員 (30311674)
小湊 慶彦 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (30205512)
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Keywords | ABO式血液型合成酵素 / フコース転移酵素 / ABO遺伝子 / FUT1遺伝子 / FUT2遺伝子 |
Research Abstract |
フコース転移酵素及びABO式血液型合成酵素の細胞内における局在を調べるために、FUT1、FUT2タンパク及びABO式血液型合成酵素のN末端のアミノ酸領域に様々なタグを付けた融合タンパクを発現するベクターを作製した。ABO式血液型合成酵素のN末端のアミノ酸領域にはFLAGタンパクをつないだ融合タンパクを発現するベクターを、FUT1、FUT2タンパクのN末端のアミノ酸領域にはMycタンパク、GAL4タンパクをそれぞれつないだ融合タンパクを発現する発現ベクターを作製した。 また、FUT1、FUT2遺伝子の上流域の詳細な解析を行うために、様々な長さの上流域をルシフェラーゼ遺伝子の上流に組み込み、プロモーターアッセイ用のベクターを作製している。 ABO遺伝子の上流域のNボックス(塩基配列CACNAG)の転写抑制効果を解析したところ、この転写抑制はヒストンの脱アセチル化が関与することも明らかとなった。また、ゲルシフトアッセイの結果、N-boxを含むABO遺伝子上流の抑制領域にはタンパク質が結合することが明らかとなった。また、ABO遺伝子は分化に伴って発現することはすでに報告している。一方でN-boxには分化抑制にかかわる転写因子HES1などの結合が知られ、HES1の上流には様々な細胞分化や運命決定に関わるNotchシグナルが存在している。これらを総合すると、分化に伴ったABO遺伝子の発現機構において、ABO遺伝子上流域に存在する転写抑制領域の関与とその重要性が推察された。
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